魅惑の高収益、“ROE10%超”内需好業績リスト〔第2弾〕22社選出 <成長株特集>

特集
2018年7月8日 19時30分

1日に配信した時価総額500億円以上の銘柄を対象とした「魅惑の高収益、“ROE10%超”内需好業績リスト〔第1弾〕」に続き、“時価総額100億円以上500億円未満”の小型株を対象とする「第2弾」をお届けします。

本特集では、株主から預かった資金を使っていかに効率的に利益を出したのかを示す「ROE(自己資本利益率)」が高い銘柄にスポットライトを当ててみた(7月6日現在)。ROEが高く、かつROEの向上が続く企業は経営の効率化が進んでいると評価され、国内外の機関投資家が投資先候補に選定することが期待される。また、個人投資家の間でもROEの高さに着目して投資する動きが広がっており、ROEは重要な投資指標として注目度が高まっている。

今回は米中貿易摩擦への警戒感が強まるなか、外部環境の影響を受けにくい内需関連の好業績銘柄に照準を絞った。下表では、サービス、建設、小売、情報通信、不動産といった内需セクターの3月期決算企業を対象に、(1)時価総額が100億円以上500億円未満、(2)19年3月期のROEが10%以上、かつROEが2期以上連続で向上を見込む、(3)今期に増収・経常増益見通し、(4)自己資本比率が20%以上といった条件を満たした22社を選び出し、今期ROEの前期実績に対する上昇幅が大きい順に記した。

ROE上昇幅トップとなったのはダブルスタンダード <3925> [東証M]。19年3月期はAIやアルゴリズム活用したデータクレンジング(データ整備・正規化)を中心としたビッグデータ関連案件の受注が伸び、経常利益は前期比25.9%増の7億円と6期連続で過去最高益を更新する見通しだ。ビッグデータの普及加速を背景に今後も業績拡大が見込まれるほか、上場した16年3月期から3期連続で配当性向40%前後の配当を実施するなど株主還元面での投資魅力も高い。また、東証1部への市場変更に向けて準備を進めており、1部昇格候補としても注目されている。

2位の元気寿司 <9828> は回転すし業界の競争が激化するなか、“回転しない”オールオーダー型店舗の拡大で成長を続けている。18年3月期は国内で“回転しない寿司”の出店と改装を進めたほか、海外では米子会社の業績が回復し、経常利益は前の期比68.9%増の17.4億円と10期ぶりに過去最高益を達成した。2日に発表した月次売上速報によると、直近3ヵ月である4-6月の国内店舗売上高は前年同期比10.5%増と好調で、今月末に発表するとみられる第1四半期決算の好業績が期待される。また、親会社でコメ卸最大手の神明が主導する形でスシローグローバルホールディングス <3563> との経営統合協議を進めており、その動向にも注目が集まる。

3位のアルファポリス <9467> [東証M]はネットに投稿された話題の小説やマンガを書籍化する出版事業を主力としている。19年3月期は2ケタの刊行点数を計画するマンガを中心に販売が伸びるほか、市場拡大を背景に電子書籍も成長が続く。さらに、1月に売却したゲーム事業の赤字がなくなることもプラスに働き、経常利益は前期比58.5%増の12億円に拡大する見込みだ。続く4位に入ったのはゲームなどのデバッグ(不具合検出)サービスを手掛けるデジタルハーツホールディングス <3676> 。足元ではエンタープライズ分野におけるシステム検証やセキュリティサービスを新たな成長の柱に掲げている。19年3月期は先行投資してきたエンタープライズ分野が下期から収益貢献するほか、前期損失を計上した格闘ゲーム大会の影響がなくなり、2期ぶりの経常最高益を目指す。

7位は首都圏で進学指導塾を展開する早稲田アカデミー <4718> 。19年3月期は小学部を中心に塾生数の増加が続くうえ、千葉県の進学塾「クオード」を運営する集学舎の買収効果なども寄与し、経常利益は前期比52.3%増の16.8億円と12期ぶりの最高益更新を計画する。9位にリストアップされたキャリアインデックス <6538> は転職サイト「CAREER INDEX」を中心に人材関連サイトを複数運営している。前期は転職サイトやアルバイト・派遣サイトで求人掲載件数が増加し、サイト利用者の応募数に応じた成功報酬が大きく伸びた。19年3月期は企業の人手不足を追い風に、経常利益ベースで初の10億円突破を狙う。

15位のシュッピン <3179> はカメラを主軸に時計、筆記具、自転車の新品・中古品を販売する4つの専門店サイトと実店舗を運営する。成長のメインドライバーであるEC部門がWeb会員数の増加を背景に売上拡大が続くほか、一時低迷していたインバウンド向け売上も回復基調にある。19年3月期は経常利益が前期比20.5%増の18.3億円と高成長を持続するうえ、配当は前期比4円増の14円と6期連続増配を計画する。選出リストでは、業績拡大を背景に配当を増やし続ける企業が多く、コムチュア <3844> は14期連続、アサンテ <6073> は10期連続の増配を予定している。

直近ROE  今期  ROE上昇  経常  予想

コード 銘柄名     上昇幅   ROE 連続期数 増益率  PER

<3925> ダブスタ     8.48 36.38    2   25.9 42.3

<9828> 元気寿司     8.28 16.25    2   3.2 28.0

<9467> アルファP    5.77 18.08    2   58.5 29.5

<3676> デジハHD    5.51 45.50    3   24.8 21.1

<2454> オルアバウト   4.95 13.98    3   1.7 30.5

<9790> 福井コン     4.67 27.74    3   0.2 14.4

<4718> 早稲アカ     4.60 14.96    5   52.3 17.3

<6088> シグマクシス   4.41 20.50    4   19.5 31.7

<6538> キャリインデ   4.16 26.93    3   36.7 54.0

<6069> トレンダ     3.53 18.18    3   48.6 35.7

<4743> ITFOR    2.22 11.48    2   27.7 24.9

<4783> 日ダイナミク   2.10 20.79    4   17.7 14.1

<4828> 東洋BENG   1.64 16.02    4   2.5 21.6

<6073> アサンテ     1.13 13.66    2   11.6 15.7

<3179> シュッピン    1.01 28.92    3   20.5 31.3

<3561> 力の源HD    0.89 17.42    4   26.1 43.5

<2359> コア       0.73 11.07    5   10.4 17.9

<6035> IRジャパン   0.53 24.76    4   12.4 34.2

<3221> ヨシックス    0.36 25.37    2   14.4 23.1

<6569> 日総工産     0.20 14.77    2   20.4 35.7

<3844> コムチュア    0.15 32.03    7   10.2 25.6

<3464> プロパティA   0.10 20.28    2   10.8 13.6

※対象条件について、「最終利益が経常利益の80%以上」の企業は、特別利益や税控除などにより一時的に最終利益がかさ上げされているケースが多いため、対象から除いた。

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