リスクオン相場加速、日経平均500円高の正体は?
13日の東京株式市場ではリスクオン相場が加速した。日経平均株価は寄り後に一気に350円近い上昇をみせフシ目の2万2500円ラインを上回り市場関係者の注目を誘ったが、そこで終わりではなかった。後場に入ると先物主導でさらに買いの勢いが強まり、日経平均株価は500円を超える上昇となり、2万2700円近くまで上値を伸ばした。言うに及ばず、これまで米中貿易摩擦の問題を背景に沈みがちだった投資家のセンチメントをも大きく突き動かす格好となった。
市場では「今週11日朝方にトランプ米政権が2000億ドル相当の対中追加関税リストの原案を公表したときは、当の中国すら予期していなかったタイミングでマーケットに強烈なネガティブサプライズを与えたが、ここでカサにかかって空売りをかけた向きが、今度は一斉に手仕舞い買い戻しに動いた」(国内ネット証券アナリスト)という。ポイントとなっているのは外国為替市場で円安が進んでいることで、「いくら米国経済指標が好調だからといって米長期金利の先高期待だけで1ドル=112円台後半までドルが買われる理由はない。これが売り方の思惑を外したのではないか」(国内準大手証券ストラテジスト)と指摘する。くしくも、きょうは7月のオプションSQ当日であり、足もとの上昇加速相場はこのSQ通過直後に遅れてやってきた“買い戻しフェスティバル”といってもよい。
NT倍率は13倍台に拡大するなど、先物高が裁定買いを誘発したことで起きる日経225偏重型の戻り相場であり、「ファーストリテイリング<9983>が4000円近い上昇をみせるというのは、好業績発表があったにせよ滅多にない異常な状況。これは全体相場の縮図でファンダメンタルズとは離れた需給先行の戻りであることを物語っている」(前出のネット証券アナリスト)という。日経平均は同社株のみで140円余り押し上げられており、仮に同社株が前日比変わらずの値動きであったならば日経平均は最も上値を伸ばした局面でも300円台の上昇にとどまったということになる。
東証1部の値上がり銘柄数も株高ピーク時でも全体の8割程度にとどまっており、手当たり次第に買いまくるという地合いではなかった。新興市場に目を向ければ景色は全く違っており、例えばマザーズ指数は前日比1%未満の上昇に過ぎない。ほかの一部市場関係者からは「どちらが今の相場の体感温度を表しているかといえば後者」との意見も出ていた。果たして、今日の大幅高が全体相場のサマーラリー復活を予期するものかどうかは、3連休明けの東京市場がその答えを示すことになる。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)