ユーロ週間見通し:もみ合いか、ECB理事会の結果判明を待つ状況

通貨
2018年7月21日 15時01分

■トランプ大統領のドル高けん制発言で値を戻す

先週のユーロ・ドルは底堅い動きとなった。国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し報告でユーロ圏の2018年の成長予想を引き下げたことや、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が議会証言で追加利上げに前向きな姿勢を示したことから、ユーロ・ドルは一時1.1575ドルまで下落。しかし、トランプ米大統領が「中国や欧州連合(EU)が通貨を人為的に操作している」、「より強いドルは米国の競争力を取り除く」と述べたことから、ユーロ買い・米ドル売りが急速に広がり、ユーロは1.17ドル台を回復した。取引レンジ:1.1575ドル-1.1745ドル。

■もみ合いか、投機的なユーロ売り縮小の可能性

今週のユーロ・ドルはもみ合いか。トランプ米大統領はEUによる通貨操作について言及していることから、目先的に投機的なユーロ売りは縮小する可能性がある。ただし、米FRBと欧州中央銀行(ECB)との金融政策スタンスの違いを意識したユーロ売り・米ドル買いは継続する可能性がある。今週開催のECB理事会で早期利上げの必要性について議論されなかった場合、ユーロの上値は重くなりそうだ。

予想レンジ:1.1550ドル-1.1850ドル

■対円では弱含み、トランプ大統領のドル高けん制発言の影響も

先週のユーロ・円は弱含み。米中貿易摩擦激化への懸念やトランプ大統領のドル高けん制発言を受けて、米ドル・円相場は円高方向に振れたことが要因。ユーロ安・米ドル高は一服したが、対円でのユーロ売りが観測されており、ユーロ・円は一時130円台半ばまで下落する場面があった。取引レンジ:130円55銭-131円99銭。

■もみ合いか、ECB理事会の結果判明を待つ状況

今週のユーロ・円はもみあいか。26日開催のECB理事会では、利上げ開始時期について議論される見込みだが、早期利上げの必要性について議論されなかった場合、ユーロの上値は重くなりそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・24日:7月マークイット製造業PMI(予想:54.7、6月:54.9)

・24日:7月マークイットサービス業PMI(予想:55.0、6月:55.2)

・26日:欧州中央銀行理事会(金融政策は現状維持の見通し)

予想レンジ:129円50銭-132円50銭

《FA》

提供:フィスコ

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