話題株ピックアップ【夕刊】(2):メルカリ、ファストリ、大東建託
■メルカリ <4385> 4,835円 +35 円 (+0.7%) 本日終値
メルカリ<4385>が4日続伸。前週末20日の取引終了後、グループ会社ソウゾウが「メルカリNOW」「teacha」「メルカリ メゾンズ」の3サービスを8月中に終了すると発表しており、これが好材料視された。同社では、これらのサービスを終了するとともに、一部の機能を「メルカリ」のサービスに追加していくなどの経営資源の再配置を行うとしており、これによる業績への貢献が期待されているもようだ。
■ファーストリテイリング <9983> 49,900円 -3,030 円 (-5.7%) 本日終値 東証1部 下落率5位
ファーストリテイリング<9983>が急反落。日銀は今月30~31日に予定されている金融政策決定会合で、現在「0%程度」としている長期金利の誘導目標の柔軟化を検討する可能性があると複数の報道機関が伝えた。同時にETF(上場投資信託)など資産買い入れ手法の柔軟化も検討されるとの見方もあり、日銀の保有比率が高くETF見直しの影響が大きいとみられるファーストリテに売りが膨らんだ。ETF買いを通じて日銀はファーストリテの筆頭株主になっているとの観測も強い。月末の日銀決定会合に向け、同社株は当面、神経質な展開となることも予想されている。
■大東建託 <1878> 17,590円 -775 円 (-4.2%) 本日終値
大東建託<1878>は大幅反落。21日付の日本経済新聞朝刊で「2018年4~6月期の連結経常利益は360億円前後と、前年同期に比べ6%減ったようだ」と報じられており、同期間として7年ぶりの減益になるとの観測が弱材料視されている。記事によると、管理するアパートの増加で賃貸は好調が続いたが、好採算のアパート建設の受注が減少したという。また、資材費や労務費の上昇で工事採算が悪化したことも響いたとしている。なお、決算発表は7月30日を予定している。
■三井不動産 <8801> 2,698.5円 -66 円 (-2.4%) 本日終値
三井不動産<8801>、住友不動産<8830>など大手不動産株が売られた。日銀の金融緩和政策に修正の動きが出るのではないかとの思惑が、23日の東京株式市場を大きく振り回す材料となっている。日銀は来週30~31日に金融政策決定会合を開催するが、金融緩和による副作用への配慮を検討する方向と伝わったことで長期金利が上昇、これにより不動産セクターは大手を中心に調達コストの上昇や有利子負債負担の拡大を嫌気する売りが出ている。
■昭和電工 <4004> 5,200円 -110 円 (-2.1%) 本日終値
国際的な投資指標であるMSCIの8月見直しの発表は、日本時間8月14日早朝に予定されている。SMBC日興証券は20日、8月の定期見直しでは、MSCI日本スタンダード指数へ1銘柄ずつの採用と削除があると予想した。新規採用の候補銘柄では昭和電工<4004>、削除候補にはCYBERDYNE<7779>を挙げた。
■トヨタ自動車 <7203> 7,311円 -129 円 (-1.7%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が3日続落。トランプ米大統領の発言を受け、保護主義政策に対する警戒感が再燃しているほか、足もと外国為替市場で1ドル=111円近辺まで急速に円高方向に振れており、輸出採算改善期待の後退を背景に売り圧力に晒される展開となっている。トランプ大統領のFRBへの利上げ牽制コメントなどもドル円相場に大きな影響を与えており、為替感応度の高い自動車セクターは投資家の買い手控え感が助長されている。
■きんでん <1944> 1,808円 -14 円 (-0.8%) 本日終値
きんでん<1944>に注目したい。関西電力グループの総合設備工事会社で、全国に事業展開している。足もとで情報通信工事は、移動体通信関連などが伸びているほか、関西電力向け電気工事は回復傾向にある。19年3月期の連結営業利益は前期比7%減の360億円の見通し。関西電力向けなどを慎重にみている様子だが、市場には上振れ期待が強く今期の同利益は400億円前後に修正されるとの見方も出ている。今後は首都圏を中心とする再開発事業に伴う需要にも期待。同社株は、自己資本比率が70%前後と好財務体質を誇る一方、連結PBRが0.9倍台にあり割安感は顕著。
■コマツ <6301> 3,165円 -14 円 (-0.4%) 本日終値
コマツ<6301>、日立建機<6305>が続落、いずれも底値圏で浮上のタイミングがつかめない。米中貿易摩擦問題への警戒ムードが再び強まっており、トランプ米大統領がCNBCのインタビューで、5000億ドル強の中国輸入品すべてに関税を課す準備をしているなどとコメントしたことが明らかとなり、米中両国の貿易摩擦への警戒感が改めてクローズアップされている。中国景気減速への懸念もくすぶるなか、中国向け売上比率の高い建機セクターにはネガティブに働いている。外国為替市場で1ドル=111円近辺に円高が進んでいることも売りを誘う。
株探ニュース