全国保証 Research Memo(2):独立系の信用保証最大手。大型銀行を中心に提携金融機関を拡大

特集
2018年7月24日 15時12分

■企業概要

1. 事業内容

全国保証<7164>は、独立系の信用保証会社の最大手である。銀行や信用金庫、信用組合など様々な金融機関との提携による民間住宅ローン向け保証業務を柱とし、沖縄を除く全国に展開している。民間住宅ローン向けの保証業務に特化することで、関連するデータやノウハウの蓄積を図り、迅速かつ精度の高い審査能力やリスク・リターンに見合った適正な料率設定などによる精緻な与信管理に強みがある。外部保証を活用することによる業務の効率化や与信管理の強化を目指す提携金融機関の拡大とともに、同社の業績も順調に拡大してきた。2018 年3 月期末の保証債務残高は11 兆7,893億円、提携金融機関数は746機関となっている。

160兆円を超える規模を誇る民間住宅ローン市場※においては7.0%程度のシェアにすぎないが、民間住宅ローン向けの保証業務に特化した独自のポジショニングによりシェア拡大の余地は大きい。また、日本の住宅政策を支える役割を担うことにおいて社会的貢献度が高い事業とみることができる。

※住宅ローン市場には、金融機関が貸出を行う「民間住宅ローン市場」と、住宅金融支援機構等の公的機関が貸出を行う「公的住宅ローン市場」が存在する

事業セグメントは、「信用保証事業」の単一であるが、中核となる民間住宅ローン向けの保証業務に加えて、2015年3月期からはカードローン保証も開始している。なお、提携金融機関の内訳は、銀行が90、信用金庫が250、信用組合が100、JAが279、JF・労働金庫・その他が27となっている。特に、最近では大型銀行(メガバンクや信託銀行、大手地銀等)を含む銀行業態が増えており、同社の業績の伸びをけん引している。

2012年12月に知名度や信用力の更なる向上を目的に東証1部へ上場

2. 沿革

同社は、1981年に厚生年金転貸住宅融資などの信用保証事業を目的として設立された。同社の事業拡大の転機となったのは、1997年に民間金融機関の住宅ローン保証業務を開始したことである。信用金庫や信用組合などを中心に提携金融機関を増やすことで着実に事業基盤を拡大し、2011年3月には保証債務残高が7兆円を突破した。

2012年12月には、知名度や信用力の更なる向上を目的として東証1部へ上場すると、住宅ローンの取扱いの大きい銀行業態(地方銀行や第二地方銀行、メガバンク等)との提携が増え、2016年3月には保証債務残高が10兆円を突破し、同社の業績は順調に拡大している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《NB》

提供:フィスコ

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