話題株ピックアップ【夕刊】(2):昭電工、資生堂、ニッパツ
■昭和電工 <4004> 5,660円 +490 円 (+9.5%) 本日終値
昭和電工 <4004> が反発。8日大引け後、18年12月期の連結経常利益を従来予想の1315億円→1670億円に27.0%上方修正。増益率が2.1倍→2.6倍に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。今期業績の上方修正は5月に続き、2回目。需給逼迫を背景に黒鉛電極の国際市況が上昇し、黒鉛電極の販売価格が想定を上回ることが上振れの要因となる。前日終値ベースの予想PERが9.0倍→6.7倍に低下し、割安感がさらに強まったことも支援材料となった。
■ソディック <6143> 1,102円 +88 円 (+8.7%) 本日終値
8日に決算を発表。「4-6月期(2Q)経常は98%増益」が好感された。ソディック <6143> が8月8日大引け後(15:00)に決算を発表。18年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結経常利益は51.8億円となり、通期計画の80億円に対する進捗率は64.8%となった。
■タキロンシーアイ <4215> 676円 +53 円 (+8.5%) 本日終値
タキロンシーアイ<4215>が全体地合い悪に逆行して3連騰。IT向け樹脂板などプラスチック加工で高技術力を有し、半導体製造装置向け工業プレートが好調で収益に貢献している。7月6日の551円を底値に切り返しトレンドが鮮明、8月1日の戻り高値659円を付けた後いったん調整を入れたものの、25日移動平均線とのカイ離修正を終え、再び弾みつき戻り高値奪回を意識する展開。
■パイロット <7846> 6,550円 +500 円 (+8.3%) 本日終値
8日に決算を発表。「上期経常が15%増益で着地・4-6月期も16%増益」が好感された。パイロットコーポレーション <7846> が8月8日大引け後(16:00)に決算を発表。18年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結経常利益は前年同期比15.2%増の119億円に伸び、通期計画の210億円に対する進捗率は56.7%に達し、5年平均の49.5%も上回った。
■ビー・エム・エル <4694> 2,980円 +225 円 (+8.2%) 本日終値
ビー・エム・エル<4694>が後場に入って急伸。同社はきょう午後2時に、19年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は32億3800万円(前年同期比13.6%増)となり、通期計画95億5000万円に対する進捗率は33.9%に達した。売上高は299億200万円(同3.0%増)で着地。臨床検査事業や食品検査事業で新規獲得に注力したほか、診療所版電子カルテ「クオリス」と「メディカルステーション」の販売が伸びたことなどが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■大同メタル工業 <7245> 1,269円 +95 円 (+8.1%) 本日終値
大同メタル工業<7245>が急伸。同社はきょう午後2時すぎに、19年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は16億5400万円(前年同期比71.7%増)となり、上半期計画28億円に対する進捗率は59.1%となった。売上高は266億8600万円(同7.6%増)で着地した。国内で自動車用エンジン軸受やターボチャジャー用軸受が伸長したほか、建設機械向け軸受も中国や米国向けが堅調に推移。また、前年同期にあった買収2社に関連する一時的な費用がなくなったことや、メキシコ工場の増産に伴うコスト増要因が大幅に減ったことが利益を押し上げた。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■資生堂 <4911> 8,140円 +592 円 (+7.8%) 本日終値
資生堂<4911>が急反発。前日は後場取引時間中に発表した1~6月期決算発表で通期業績予想を増額修正したにも関わらず、市場コンセンサスに届かなかったことが嫌気され大きく売り込まれ、全体指数にも大きな影響を与えた。市場関係者によると「一部証券会社の目標株価引き上げなどを手掛かりに買い戻しが入った。それ以外には基本的に前日と何も変わっていないが、前日の下げ自体がアルゴリズム売買などに伴うイレギュラーな要素が大きく、きょうはその反動で上げている」(国内証券アナリスト)。もっともこの不安定な株価動向には相応の背景がある。「同社株をはじめ、足もとの業績は良くても、売り上げが中国需要に頼る比率の高い銘柄については警戒感が強いことが改めて浮き彫りとなった」(同)とも指摘されており、当面は米中貿易摩擦問題などの行方が同社株のような中国関連株(インバウンド関連株)に対するセンチメントを左右しそうだ。
■ニッパツ <5991> 1,186円 +78 円 (+7.0%) 本日終値
ニッパツ<5991>が急反発。8日取引終了後、19年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を6900億円から6950億円(前期比5.3%増)へ、営業利益を300億円から328億円(同7.7%減)へ、最終利益を220億円から244億円(同19.0%増)へそれぞれ増額している。精密部品事業が数量増と合理化効果で利益に貢献しており、会社側の従来見通しを上回る。これが買い手掛かりとなり投資資金を誘導している。
■福山通運 <9075> 5,730円 +370 円 (+6.9%) 本日終値
福山通運 <9075> が急反発。8日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比91.3%増の61.6億円に拡大して着地したことが買い材料視された。主力の運送事業の輸送量が増加したうえ、値上げ効果による単価上昇も寄与し、大幅増益を達成した。上期計画の88億円に対する進捗率は70.1%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の0.39%にあたる20万株(金額で12億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の拡充も好感されたようだ。
■クレハ <4023> 7,910円 +490 円 (+6.6%) 本日終値
クレハ <4023> が急伸。8日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益が前年同期比50.3%増の34.9億円に拡大して着地したことが買い材料視された。リチウムイオン電池用バインダ-向け樹脂やシェ-ルオイル・ガス掘削向けPGA樹脂などが好調だった機能製品事業が収益を牽引。慢性腎不全薬や農業・園芸用殺菌剤の販売が伸びた化学製品事業も増益に貢献した。上期計画の50億円に対する進捗率は70.0%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
株探ニュース