欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、ドル買いの流れは継続

通貨
2018年8月23日 17時25分

23日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想したい。オーストラリアの政局流動化を受けドルが豪ドルに対し強含み、ドル買いの流れが継続。また、明日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を前に、ドル売りは後退しそうだ。

オーストラリアの与党自由党が21日に実施した党首選で、ターンブル首相は再選されたが、その後もわだかまりが残り、同首相の退陣に思惑が広がっている。目先は党首選の再実施や来年に予定される総選挙の前倒しの可能性があり、同国の政治情勢は一気に流動化している。米中通商協議の行方は経済を大きく左右する見通しで、豪ドルはドルや円に対して本日のアジア市場で大きく売られた。

それをきっかけに加速したドル買いの流れは、この後の欧米市場でも続く可能性がある。ユーロ・ドルの1.16ドル台定着の失敗によるユーロ売りや、ポンド・ドルのブレグジット交渉の不透明感に伴うポンド売りも、ドル買いを支援しよう。また、24日に予定される講演でパウエルFRB議長は、堅調な国内経済を背景に年内あと2回の利上げシナリオに意欲を示すとの観測から、ドル売りは仕掛けづらい地合いでもある。

ただし、米中通商協議の最中、トランプ政権は知的財産権の侵害を理由に対中制裁に踏み切り、第2弾として中国製品160億ドル規模の追加制裁を発動。中国も同規模の報復を実施した。前日公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、米中の摩擦で世界経済への悪影響に関して懸念が共有されたことが明らかになった。欧米市場でそうした点が問題視されれば、円買いがドル・円の上値をある程度は抑えることになろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・8月製造業PMI速報値(予想:55.2、7月:55.1)

・17:00 ユーロ圏・8月サービス業PMI速報値(予想:54.4、7月:54.2)

・17:00 ユーロ圏・8月総合PMI速報値(予想:54.5、7月:54.3)

・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.5万件、前回:21.2万件)

・22:00 米・6月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.3%、5月:+0.2%)

・22:45 米・8月製造業PMI速報値(予想:55.0、7月:55.3)

・22:45 米・8月サービス業PMI速報値(予想:55.8、7月:56.0)

・22:45 米・8月総合PMI(7月:55.7)

・23:00 米・7月新築住宅販売件数(予想:64.5万戸、6月:63.1万戸)

・23:00 ユーロ圏・8月消費者信頼感指数(予想:-0.7、7月:-0.6)

・米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール、25日まで)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.