高橋春樹氏【フシ突破で上昇加速! リスクオン相場は続くか】(3) <相場観特集>

特集
2018年9月18日 20時00分

―2万3000円ライン突き抜け視界が変わった東京市場―

東京市場では前週後半を境に一気に視界が変わってきた。日経平均株価はこれまで度々跳ね返されてきた2万3000円ラインを遂に突き抜け、上値追いを加速。3連休明けの18日は一時380円以上の上昇で3連騰、3日間合計で880円近い上げ幅を記録したことになる。相場大転換の背景にあるのは何か。そしてここからの展望と物色の方向性はいかに。経験豊富でマーケットの先読みに定評のある市場関係者3人に意見を聞いた。

●「TOPIX上げトレンドへの転換で上昇加速」

高橋春樹氏(三木証券 取締役 商品本部長)

前週から日経平均は反転上昇トレンドに入ったが、これは外国人投資家による本格的な買い姿勢への転換が背景にある。5月以降過去4回、トライして果たせなかった2万3000円台の定着が5回目にして実現する可能性が濃厚となってきた。さらに、5月以降の日足チャートで、“上値切り下げパターン”と判断されてきた東証株価指数(TOPIX)も、8月30日の高値1749.72ポイントを大きく上回り、日経平均に対する出遅れ解消を目指す上昇トレンドとなりそうだ。

改めて日経平均の16年以降の値運びに注目したい。16年6月の安値1万4864円を起点としてスタートした上昇相場は、典型的な下値切り上げトレンドを描きながら現在まで継続している。アベノミクス相場がスタートして以降の日経平均のPERは、ほぼ13~15倍のレンジ内で推移している。足もとの日経平均のEPSを1740円とすると、平均的な水準であるPER14倍でも2万4360円と、1月23日の年初来高値2万4125円(終値ベース)を超えてくる。さらに、15倍とすれば2万6100円と、2万6000円の大台に乗せる試算も可能だ。

過去の経緯を考慮すると、外国人投資家が本格的な買い越しに転じた場合には、比較的短期間に大幅な上昇を達成するケースが多く、秋相場での2万6000円台乗せも十分射程圏に入りそうだ。

これまで、日経平均に比べて出遅れていたTOPIXの追撃が予想されるため、比較的時価総額の大きな銀行株をはじめ、大型の自動車部品・自動車向け電装品メーカーに注目している。一方で、医薬品・化粧品など内需系の値がさ株にも海外投資家の買いが継続する可能性がある。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)

1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.