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2018年9月14日 19時42分
特集

その変化は本物か――フシ目“2万3000円”突破と「秋高シナリオ」 <株探トップ特集>

―米中貿易協議再開期待とトルコ利上げで変わった潮目―

14日の東京市場で日経平均株価は前日比273円高の2万3094円と大幅高となった。市場には、「壁」として意識されていた2万3000円ライン回復とともに本格的な上放れへの期待が高まる。その一方、自動車関税への懸念もくすぶる日米の貿易協議(FFR)が今月下旬に予定されているほか、11月の米中間選挙に向けた動向も気になる。先行きへの期待と警戒感が交錯するなか、マーケットはこれから秋高コースに突入するのか。市場の見方を探った。

●日経平均は7ヵ月半ぶり高値、トルコリラ上昇も追い風

3連休を控えた14日の東京市場で日経平均は一時2万3105円まで上昇。2月初旬以来、7ヵ月半ぶりの水準に値を上げた。今春以降、数度にわたりトライして突破できなかった"2万3000円の壁"を今度こそ抜くことができるのではないか。市場関係者の関心は、この点に集中している。アナリストからは「チャート上は2万3122円前後のフシを抜くことが必要。ただ、為替の円安が進行しており、この傾向が続くのなら株価は本格的な上放れとなることが見込める」との見方が出ている。

この株高を牽引した大きな要因が、米中貿易協議再開に向けた期待だ。米ウォール・ストリート・ジャーナルは12日、米国が中国に対して「数週間以内の協議開催を打診」と伝えた。これを受け、米中貿易摩擦懸念が後退した。また、13日はトルコ中央銀行が大幅な利上げを発表し、 トルコリラが急伸したことも追い風となった。しかし、最大の警戒要因は何と言ってもやはり米中の貿易摩擦だ。とりわけ2000億ドル分の中国製品を対象とする追加関税の動向への関心は強い。

●2000億ドル追加関税には不透明感、FFRの行方も注視

市場には、米中貿易協議が再開された場合、対中国への2000億ドルの追加関税措置は「しばらく発動が見送られるのでは」との期待が出ている。また、「実施するにしても何度かに分ける段階的なものになるのではないか」との見方もある。

もっとも、第一生命経済研究所の桂畑誠治主任エコノミストは「2000億ドルの追加関税の見送りや縮小は、中国からの大幅な譲歩がないと難しい。しかし、中国は報復の姿勢を崩していない。やはり追加関税は実施されるのではないか」と予想する。米中貿易摩擦の背景には軍事面での競争力にも絡んだハイテク業界の覇権争いがあるとも指摘されているだけに、簡単な決着は難しいともみられている。さらに、東京市場をみるうえでも「今月下旬に予定されているFFRの結果を確かめないと、本格的な上昇は期待しにくいだろう」(市場関係者)という声は少なくない。

●中国株が下げ止まれば、米株高で日本株は引っ張り上げられる

もっとも、警戒感は残る一方で強気姿勢を示す市場関係者は少なくない。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「東京市場は上昇に向け煮詰まってきた。たとえFFRで、米国から日本に厳しい要求が突き付けられたとしても、不透明感が払拭すれば、日本株は上昇するだろう」と予想する。ポイントは「中国株の下落さえ止まれば、米国株の上昇で日本株は引っ張り上げられる」(秋野氏)という構図だ。

その米国市場は13日、 NYダウが2万6000ドルを終値で回復した。ナスダックやS&P500種指数は最高値更新が目前に迫っている。「米国の個人消費は強い。米長短金利の逆転が近づいており、来年以降に不透明感は残るが、年内は大丈夫だろう。年末に向け米国株の上昇は続くと思う」とフィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長はみる。NYダウは、米中貿易摩擦の影響を受ける性格が強いだけに他の指数に比べ出遅れ感が強い。しかし、「NYダウも年内の最高値が期待できる」(庵原氏)という。

●米中間選挙は"ねじれ"の可能性、「FAANG」から「AAA」へシフトも

また、11月の米中間選挙に関しては、下馬評では上院は共和党、下院は民主党が優勢であり、米議会に"ねじれ"が生じるとの見方は強い。第一生命経研の桂畑氏は「ねじれの発生は市場のコンセンサスとなりつつある。ただ、中間選挙後の米国の政策がどう動くかは分からない。このため、中間選挙の結果を市場はまだ織り込んではいない」と指摘する。このため米中間選挙の前後に向けては様子見姿勢が強まることも予想される。

とは言え、「景気の好調さを背景に米株式市場は堅調な値動きを続けるだろう」と桂畑氏は指摘する。サクソバンク証券の倉持宏朗チーフマーケットアナリストも「米景気の先行指標とも呼ばれるダウ輸送株指数が上昇を続けていることは注目できる」とみており、米景気拡大とともに米株高を予想する。ただ、足もとでは「米ツイッターやフェイスブックの株価は上値が重い。このため、『FAANG(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、グーグル<アルファベット>)』から、フェイスブックとネットフリックスを除いた『AAA』へシフトする動きが出ている。米国市場の物色対象にややディフェンシブ的な色彩が出始めていることには注意しておきたい」と指摘している。

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