欧米為替見通し:ドル・円は戻りが鈍い展開か、安倍首相の政権運営に思惑も

通貨
2018年9月20日 17時25分

20日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い展開を予想する。米中通商摩擦は続くものの、一部に対立解消の動きがみられリスク回避の円買いは後退する見通し。ただ、自民党総裁選で安倍首相は3選を決めたが、石破元幹事長善戦の見方から今後の政権運営への思惑が円売りを抑えそうだ。

米トランプ政権は今週、中国への追加制裁を正式発表し、貿易赤字是正に向けた強硬な通商政策を推進している。それに対し、中国側は報復措置の準備を進め、対立はさらに激化する方向にみえる。一方で、李首相は19日、中国の輸出を強化するための通貨切り下げに否定的な考えを示している。市場では米中摩擦の緩和に向けた動きと受け止められ、市場心理の小幅改善による円売りに振れやすい。前日の海外市場でブレグジットに関し、英国と欧州連合(EU)の間でアイルランド国境問題の認識の違いから、ポンド・円が急落しやや警戒されたが、円買いは小幅にとどまった。

今晩も欧米の株式相場に特別波乱がなければ、リスク回避の円買いは後退しそうだ。21時半に発表される米国の9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は前回を上回る結果が予想されるほか、8月中古住宅販売件数も前回からやや増加するとみられており、前日の住宅着工件数とともに住宅セクターの回復が好感されよう。また、トルコの中期経済プログラムが期待通りならリラの買い戻しが強まり、クロス円を押し上げる見通し。ただ、本日の自民党総裁選で安倍首相は再選となったが、対立候補の石破元幹事長の支持拡大を許した。今後党内のパワーバランスや政策運営への影響に思惑が広がれば、円売りは小幅にとどまりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:30 英・8月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-0.2%、7月:+0.7%)

・21:30 米・9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:18.0、8月:11.9)

・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.0万件、前回:20.4万件)

・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(6.50%に据え置き予想)

・23:00 米・8月景気先行指数(前月比予想:+0.5%、7月:+0.6%)

・23:00 米・8月中古住宅販売件数(予想:536万件、7月:534万件)

・23:00 ユーロ圏・9月消費者信頼感指数(予想:-2.0、8月:-1.9)

《FA》

提供:フィスコ

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