シノケンG Research Memo(4):不動産販売事業をコア事業に、M&Aを活用しながら周辺事業領域を拡大中(3)

特集
2018年10月4日 16時58分

■会社概要

(4) エネルギー事業

エネルギー事業ではLPガス及び電力の小売販売を行っており、そのほとんどはシノケングループ<8909>が販売したアパート、マンションの入居者に対するものとなる。担当する事業会社は(株)エスケーエナジー(福岡)、(株)エスケーエナジー名古屋、(株)エスケーエナジー東京、(株)エスケーエナジー仙台、(株)エスケーエナジー大阪の5社となり、各エリアで事業展開している。

2018年12月期第2四半期末の契約件数はLPガスが29,854件、電力が13,246件となっている。電力については2017年4月から販売を開始したため、まだ契約件数はLPガスと比較して少ない。同社が販売するアパートはLPガスを使用するため、今後もアパートの累積販売数に連動して契約件数も増加していくことになる。また、電力についてもLPガスとのセット販売によるコストメリットや、支払い手続きの簡素化などを訴求していくことで契約件数を伸ばしていく戦略となっている。

(5) 介護事業

介護事業は、2012年12月に(株)シノケンウェルネスを設立し新たに進出した事業で、2015年2月にはグループホーム施設運営及び介護サービスを展開する(株)フレンド、2016年1月には訪問介護を東京、福岡で展開する(株)アップルケアをそれぞれM&Aで取得し、(株)シノケンウェルネスの完全子会社としている。要介護度に応じて幅広いサービスをグループ内でワンストップ提供できることが特徴と言える。

介護事業の統括会社となっている(株)シノケンウェルネスでは、既存の賃貸マンションやアパートの空室をリニューアルし、24時間介護サービスの付いた高齢者向け賃貸住宅とする「寿らいふプラン」というサービスを展開している。有料老人ホームよりも料金が格段にリーズナブルで、生活の自由度も高く、同サービスは2013年度にビジネスモデルのグッドデザイン賞も受賞している。また、東京と福岡で3棟のサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)を所有、運営している。3棟合計で302戸(モデルルーム等含む)、入居率は2018年12月期第2四半期末時点で97.3%(実入居率)と高稼働率となっている。一方、(株)フレンドでは東京、大阪、福岡にてグループホーム7施設(うち2施設で小規模多機能型居宅介護)で合計144居室を主として所有し、運営を行っている。2018年12月期第2四半期末の入居率は97.2%(実入居率)とこちらも高稼働率となっている。

(6) その他の事業

その他の事業には海外事業のほか新規育成事業が含まれる。海外は中国、シンガポール、インドネシアの3ヶ国で展開しており、このうち中国とシンガポールは不動産賃貸・売買仲介事業、インドネシアについては(株)小川建設による建設関連事業のほか、2018年3月に連結子会社化した地場ゼネコンのPT Mustika Cipta Kharisma(以下、ムスティカ)が2018年12月期第1四半期から加わっている。ムスティカ社は3年前より(株)小川建設の現地駐在員事務所と技術アドバイザリー契約を締結し、建設技術及び工事品質の向上に取り組んできた会社で、その効果もあって高速道路工事や大規模発電所工事の受注を獲得するなどここ数年で着実に成長を続けている。今回、協業のシナジー効果を確認できたことや、インドネシアでの不動産開発事業を本格的に展開していくことから子会社化を決定した。売上規模としてはまだ年間数億円規模と小さいため、業績への影響は軽微と見られる。

新規育成事業としては、不動産ファンドの組成・運用事業を2018年より子会社の(株)シノケンアセットマネジメントで開始しており、その他にも民泊関連事業やIoT技術を活用したサービス(スマートロック等)が含まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.