11日の米国市場ダイジェスト:NYダウは545ドル安、リスク資産からの逃避続く
■NY株式:NYダウは545ドル安、リスク資産からの逃避続く
米国株式相場は下落。ダウ平均は545.91ドル安の25052.83、ナスダックは92.99ポイント安の7329.06で取引を終了した。前日の急落を受け朝方の時間外取引では大幅続落で推移していたものの、9月消費者物価指数が予想を下振れ、長期金利が低下したことで下げ幅を縮小して寄り付いた。しかし、その後もコンピューター(アルゴリズム)取引と思しき売りで急落するなど、値動きの荒い展開となり、引けにかけて下げ幅を拡大する展開となった。セクター別では全面安となり、特に保険や医薬品・バイオテクノロジーの下落が目立った。
OPEC(石油輸出機構)による19年度の需要見通し引き下げを受けて原油相場が下落し、サウスウエスタン・エナジー(SWN)やシェブロン(CVX)などエネルギー関連会社が軟調推移。金利の低下を受け、昨日は下げ渋っていたJPモルガンチェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)など大手行が売られた。また、バイオ医薬品のブリストル・マイヤーズ(BMY)は、遺伝子治療開発を手掛けるイスラエルのコンピュジェン(CGEN)に1200万ドル出資することを明らかにし下落。一方で、航空大手のデルタ航空(DAL)は、決算内容が好感され、上昇した。プライバシー問題で株価が低迷していた交流サイトのフェイスブック(FB)も反発。
明日は、大手行のJPモルガンチェース、シティグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)の決算発表が予定されている。足元の長期金利上昇が業績押し上げに繋がるのか、各社の業績見通しに注目が集まるだろう。
■NY為替:ドル弱含み、トランプ米大統領がドル高けん制発言
11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、112円53銭から111円83銭まで下落し、112円16銭で引けた。米国の9月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったほか、トランプ米大統領は「強いドルは必ずしも経済の助けにならない」との見方を示したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを批判したためドル売りが優勢となった。さらに、株安に連れたリスク回避の円買いも加速。その後、米中首脳が11月のG20で会談することで合意したとの報道を受けてドルは下げ止まった。
ユーロ・ドルは、1.1599ドルから1.1546ドルまで下落したが、1.1593ドルで引けた。ユーロ・円は、130円22銭から129円54銭まで下落。ポンド・ドルは、1.3247ドルから1.3183ドルで上下に振れた。ドル・スイスは、0.9858フランから0.9922フランまで上昇した。
■NY原油:大幅続落で70.97ドル、予想を上回る原油在庫の増加や株安が嫌気される
NY原油先物11月限は大幅続落(NYMEX原油11月限終値:70.97 ↓2.20)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比-2.20ドルの70.97ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時70.51ドルまで売られた。原油在庫の増加は予想を大幅に上回ったことや、米国株の大幅続落が嫌気された。米国内の原油生産増加の予測も引き続き原油先物相場を圧迫した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.36ドル -0.88ドル(-3.01%)
モルガン・スタンレー(MS) 43.49ドル -1.13ドル(-2.53%)
ゴールドマン・サックス(GS)212.97ドル -1.92ドル(-0.89%)
インテル(INTC) 44.23ドル -0.57ドル(-1.27%)
アップル(AAPL) 214.45ドル -1.91ドル(-0.88%)
アルファベット(GOOG) 1079.32ドル -1.90ドル(-0.18%)
フェイスブック(FB) 153.35ドル +1.97ドル(+1.30%)
キャタピラー(CAT) 140.97ドル -2.75ドル(-1.91%)
アルコア(AA) 35.67ドル -0.39ドル(-1.08%)
ウォルマート(WMT) 93.92ドル -1.84ドル(-1.92%)
スプリント(S) 6.21ドル -0.02ドル(-0.32%)
《DM》
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