【杉村富生の短期相場観測】 ─ 先人は「嵐のときは動くな!」と教えているが…
「先人は『嵐のときは動くな!』と教えているが…」
●肝要なのは「ショック安に巻き込まれないこと」?
“嵐”(株価暴落)は突然に襲来する。マーケットではこれをショック安という。ちなみに、ショック安とは「予期せぬ出来事」だ。相場巧者の是川銀蔵氏は「コンスタントに“利”を確保するためにはショック安に巻き込まれないことが大切」が口グセだった。まあ、「予期せぬ出来事」を事前にどう回避するか、これが素人(しろうと)には難しいのだが……。
ニューヨーク市場は暴落だ。10日のNYダウは831ドル(3.15%)安の2万5598ドル、NASDAQ総合株価指数は315ポイント(4.08%)安の7422ポイントだった。久々の大幅安である。投資家の皆さんの多くが衝撃を受けていると思う。
この日は長期金利の上昇に加え、ムニューシン財務長官が「中国は人民元を不当に安く誘導している。調査を行う」と発言、米中貿易摩擦の激化(世界景気の減速→2020年の企業業績の不透明感)をイヤ気した格好だ。利食い急ぎもあろう。ヘッジファンドの暗躍もある。ただ、ちょっと下げすぎではないか。
●足元は悪材料が続出している状況だが……
日本の株式市場にとってはニューヨーク市場の暴落に加え、上海市場の急落、円高進行(1ドル=112円そこそこ)が痛い。投資マネーは、世界的にリスク回避の姿勢を鮮明にしている。ネットトレーダーは広範囲に追い証が発生、投げ(強制弁済)を余儀なくされている。
さて、こんな状況下で、投資家としてはどう対応するべきだろうか。先人は「嵐のときは動くな!増水時の川底の金貨は拾うな!」と教えている。まあ、これが一般的にはセオリーだろう。しかし、肝要なのはリスクを取る勇気である。この世界は「3%の勝者に、97%の敗者」といわれている。少数意見に耳を傾けよ!という。
すなわち、ほぼ全員が弱気に傾いているいまこそ、逆に突っ込み買いのチャンスではないか。こんな局面では理屈は無用だ。悪材料が続出している?いや、だから急落しているのだ。古来、材料はあとから貨車に乗ってやってくる!と。悪材料は株価が言わしている面もある。
何を狙う。筆者が7~8年ずっと追いかけ、株価の動きを熟知している青山財産ネットワークス <8929> [東証2]、スマートバリュー <9417> [東証2]の突っ込み買いはどうか。さらに、レンゴー <3941> 、エコモット <3987> [東証M]、ソースネクスト <4344> の押し目は買える。
2018年10月11日 記
株探ニュース