NYの視点:米8月JOLT求人件数、再び過去最高記録を更新

経済
2018年10月17日 7時35分

米労働省が発表した8月JOLT求人件数は713.6万件と、減少予想に反して7月からさらに増加し、再び過去最高記録を更新した。雇用者数は580万人と過去最高に達した。離職は570万人。また、仕事を探している労働希望者の623万人を上回った。特に、建設業の労働者不足が深刻で、29.8万人の求人件数で、昨年に比べ39%増。その他、金融、保険、ヘルスケアの求人が目立った。労働市場のひっ迫を受けて、企業は賃金インフレの圧力に一段と直面することになる。最新9月の平均賃金は前年比+2.8%だった。

JOLT指数の項目の中で特に雇用者の労働市場への自信を示すとして注目される退職者数は360万人と前月7月からほぼかわらずで、統計開始した2000年12月以降で最高を維持。2017年8月から12.7%増。また、退職率(Quit rate)も7月に続き2.4%と、2001年4月以降17年ぶり高水準を維持した。卸売り貿易で2.4万人増加した一方、プロフェッショナル、ビジネスサービスで8.2万人減少した。

米9月雇用統計では失業率が3.7%と、49年ぶり低水準を記録。非農業部門雇用者数は予想外に、昨年9月来の低水準となったものの、ハリケーンフローレンスやマイケルの影響と見られている。

米8月JOLT求人件数は米労働市場のひっ迫を示す新たな証拠となり、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ軌道をさらに正当化する結果となった。

■雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較

8月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%         1.4%

9月失業率(Unemploynent rate):3.7%(8月3.9%)           5%

8月求人率(Job openings rate):4.6%(7月4.5% )         3%

8月退職率(Quits rate):2.4%(7月2.4%)        2.1%

9月広義の失業率(U-6):7.5%(8月7.4%)     8.8%

8月採用率(Hiring rate):3.9%(7月3.8%)           3.8%

◎状態が危機前より依然悪い

9月雇用者数(Nonfirm payrolls):+13.4万人(7月+27万人) +16.18万人

9月長期失業率:37.2%(8月36.5%、2017年39.7%    19.1%

9月労働参加率:62.7%(7月62.7%)   66.1%

《CS》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.