来週の株式相場見通し=国内材料乏しく海外要因を意識、戻り売りゾーンでもちあい商状
来週(12~16日)の東京株式市場は、4~9月期決算や19年3月期通期業績見通しの発表も週前半でほぼ終了することもあり、国内に手掛かり材料が乏しくなることから、再び米中貿易摩擦や、米長期金利上昇などが懸念材料として意識されそうだ。
また、株価水準も過去の滞留日数から考慮して、戻り売りの出やすい価格帯に差し掛かっており、日経平均はしばらくのあいだ、2万3000円を前にして売り買い拮抗のもちあい商状となりそうだ。来週の想定レンジは2万2000~2万2600円とする。
市場関係者からは「きょうは、外国為替市場で朝方に一時、1ドル=114円前後と、約1カ月ぶりの円安・ドル高水準へと円が下落したにもかかわらず、電機、機械、精密機器といった円安で輸出採算の改善が期待できる業種の銘柄にも安いものが目立った。今後、中国や新興国の経済状況に減速傾向が強まり、そうした輸出先の現地通貨が下落した場合、“ドルに対する円安=日本株高”というこれまでの反応が鈍る懸念がある」との見方が出ていた。
日程面では、10月の国内企業物価指数(12日)、7~9月期のGDP速報値、9月の第3次産業活動指数(14日)、10月の首都圏新規マンション発売(15日)に注目。海外では、米10月の財政収支、独11月のZEW景況感指数(13日)、中国10月の鉱工業生産・小売売上高・都市部固定資産投資、米10月の消費者物価(14日)、米10月の小売売上高、米11月のNY連銀製造業景気指数(15日)、米10月の鉱工業生産・設備稼働率(16日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)