【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ トランプ“一強”に変化、市場に吹く追い風

市況
2018年11月11日 9時30分

「トランプ“一強”に変化、市場に吹く追い風」

●対日圧力の高まりは杞憂か?

長々と市場の足を引っ張り続けてきた米中間選挙が終わった。結果はすでにご承知のごとく、上院は共和党、下院は民主党の勝利となったことで、新たな懸念を生んでいる。「ねじれ議会になり、トランプ大統領は公約の実行が難しくなる」と。

確かにそうだろう。しかし、モノは考えようだ。下院で民主党が過半数となると、トランプ大統領はこれまでのように独断専行的な政治を行いにくくなる。当然、民主党の意見も受け入れざるを得ず、その結果として極端な政策は実行しにくくなる。

これは米国民だけでなく、世界の株式市場も望んできたこと。当然、今後市場はそれを次第に好感するようになると見てよい。

なにしろトランプ大統領はディールの天才だ。下院が民主党の支配下にあるとなると、あの手この手を用いて懐柔策に出るだろう。それに、新たに選ばれた議員たちが実際に議員として活動しはじめるのは、年明け以降だ。それまでの間は共和、民主、そして大統領がストレートに対決することはない。

それでも、東京市場ではまだ悲観色が抜け切っておらず、共和、民主は共同で日本に対して貿易不均衡の是正を迫ってくるとの見方がある。

もちろん、その可能性がゼロとはいえない。しかし民主党時代、オバマ大統領は日本に対して常に寛容だった。今回、下院で多数を占めたからといって、いきなりトランプ政権と共同で日本に対して強烈な圧力をかけて来るとは思えない。

●視界遮るマイナス材料も一過性

では今後、大きな問題はないのか。

そんなことはない。米中貿易戦争はなお終息しないし、金利の上昇懸念も引き続き重荷となる。米国の中間選挙が終わっても、順調な回復とはいかないのも、これら二つの懸念材料が視界を遮っているからだ。

ただし、いまは米国の利上げを懸念している最中ながら、この種のマイナス材料は一過性に終わることが多く、今回もそうなると見てよい。

そこで、ここでの注目は市場環境の厳しさから大きく売り込まれ、いまだに低空飛行を続けている銘柄の中から、ジェイテクト <6473> だ。ステアリング、ベアリング需要ともに堅調で、株は売られすぎと見る。

ヤマトホールディングス <9064> も、未だにこなし切れないほどの配送需要があるだけに、収益の回復は順調だ。株価は少し戻りかけたところであり、期待が持てる。

箱根への旅行者は多いのに、株が売られてしまった小田急電鉄 <9007> もまだ拾いどころだ。

建築、自動車用ガラスで世界首位級ながら株価は残念な動きになっているAGC <5201> も、そろそろ見直される可能性が高い。

最近、視聴率が低下中ながら(私は結構見ている)、フジ・メディア・ホールディングス <4676> も現在の株価水準は評価が低すぎると見てよい。今後、年末にかけて視聴率が上がる時期だけに現在の水準は魅力的だ。

高値圏の銘柄にも目を向けておくと、手間いらず <2477> [東証M]と電算システム <3630> 、9月の安値から回復途上のサンドラッグ <9989> などの押し目を狙いたい。

2018年11月9日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.