9日の米国市場ダイジェスト:下落、中国経済の鈍化や利上げ継続への懸念が広がる

市況
2018年11月12日 7時41分

■NY株式:下落、中国経済の鈍化や利上げ継続への懸念が広がる

米国株式相場は下落。ダウ平均は201.92ドル安の25989.30、ナスダックは123.98ポイント安の7406.90で取引を終了した。中国の10月卸売物価指数(PPI)が前月から鈍化し、アジア株が全面安となったほか、昨日のFOMCで利上げ継続方針が維持されたことから欧州株もほぼ全面安となり、米国株も売りが先行。10月生産者物価指数が予想を上振れインフレ上昇への警戒感が強まったほか、原油相場の下落も嫌気され、終日下落となった。セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や食品・飲料・タバコが上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や自動車・自動車部品が下落した。

口コミサイトのイェルプ(YELP)は、10-12月期の売上高見通しが予想を下振れたほか、複数のアナリストによる投資判断引き下げを受け、急落。ゲーム企業のアクティビジョン・ブリザード(ATVI)は、決算内容が嫌気され、大幅下落。複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、JPモルガンによる投資判断引き下げを受け、下落。一方で、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(DIS)は、決算内容が予想を上振れ、上昇。家庭用品のプロクター&ギャンブル(PG)は、10部門に別れた組織を6つの主力商品分野別に再編する計画を発表し、買われた。

クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(AXP)は、ヘッジファンドのサード・ポイントが同社株を新たに取得したことが明らかとなった。今後18カ月の間に30%の上昇を見込んでいる模様。

(Horiko Capital Management LLC)

■NY為替:ドル買い優勢、FOMC利上げ継続との見方

9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円98銭まで上昇後、113円64銭まで下落して113円85銭で引けた。米10月生産者物価指数(PPI)が予想を上回り6年ぶり高水準となったためFOMCの追加利上げが正当化されるとの見方にドル買いが優勢となった。その後、中国の成長鈍化が足かせとなり世界経済の成長減速懸念が再燃したことを背景にした株安を警戒し伸び悩んだ。

ユーロ・ドルは、1.1360ドルから1.1316ドルまで下落し、1.1330ドルで引けた。

欧米金利差の拡大観測を受けたユーロ売り・ドル買いが再燃。ユーロ・円は、129円37銭から128円74銭まで下落。

ポンド・ドルは、1.3055ドルから1.2959ドルまで下落した。英国メイ首相の離脱計画に抗議し、離脱の是非を問う2回目の国民投票を訴えジョンソン運輸担当閣外相が辞任。離脱への不透明感を受けたポンド売りが加速した。その後、英国フィナンシャルタイムズ紙が「英国と欧州連合(EU)、離脱条件で合意が近い」と報じ、下げ止まった。

ドル・スイスは、1.0075フランから1.0045フランまで下落した。

■NY原油:10営業日続落、世界経済の減速で需要鈍化への懸念

9日のNY原油先物12月限は10営業日続落(NYMEX原油12月限終値:60.19 ↓0.48)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日比-0.48ドルの60.19ドルで通常取引を終えた。10営業日続落。米国の対中強硬姿勢への警戒感、中国発の世界景気不安により、世界経済の減速で需要が鈍化するとの懸念が強まったほか、主要生産国の増産で、供給過剰懸念も浮上した。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 28.52ドル -0.35ドル(-1.21%)

モルガン・スタンレー(MS) 45.73ドル -0.70ドル(-1.51%)

ゴールドマン・サックス(GS)222.65ドル -9.00ドル(-3.89%)

インテル(INTC) 48.11ドル -0.88ドル(-1.80%)

アップル(AAPL) 204.47ドル -4.02ドル(-1.93%)

アルファベット(GOOG) 1066.15ドル -16.25ドル(-1.50%)

フェイスブック(FB) 144.96ドル -2.91ドル(-1.97%)

キャタピラー(CAT) 126.91ドル -4.48ドル(-3.41%)

アルコア(AA) 34.36ドル -2.02ドル(-5.55%)

ウォルマート(WMT) 105.56ドル +0.68ドル(+0.65%)

スプリント(S) 6.19ドル -0.07ドル(-1.12%)

《SF》

提供:フィスコ

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