株式市場は底値を確認か、空売り金額で読む師走相場 <東条麻衣子の株式注意情報>

市況
2018年11月27日 20時00分

日本取引所グループ(JPX)の調べによると、東証一部の売買代金の約60%を外国人投資家が占め、その中核をなすのが機関投資家やヘッジファンド、年金基金などである。筆者はこれら海外勢を含む大口投資家の動向ならびに全体相場の流れを見る上で、「空売り(価格規制あり):以下、空売り」の金額の推移を重視している。(※「空売り(価格規制あり)」はアップティック・ルールの適用を主に意味しており、機関投資家など大口投資家がその対象となる。)

日経平均株価は10月2日高値2万4448円から10月26日2万0971円まで14%急落し、その後11月8日高値2万2583円まで反発。ここで頭を押さえられて11月21日安値2万1243円まで下落したが、再び切り返している。

では、足もとの株価の戻り歩調は本物なのか? 鍵を握る外国人など大口投資家の動向を、2017年と2018年、両年11月の「空売り金額」の推移から読み解いてみたい。

まず、「空売り金額」の週間合計金額の推移をみてみよう。

2017年 (単位100万円)

10月30日(月)の週  5752843

11月6日(月)の週  7336052

11月13日(月)の週  6661860

11月20日(月)の週  4001905

2018年 (単位100万円)

10月29日(月)の週  7849180

11月5日(月)の週  6133817

11月12日(月)の週  5826737

11月19日(月)の週  4143041

また、上記週間分の合計金額は、

2017年(10月30日週~11月20日週) 23752660

2018年(10月29日週~11月19日週) 23952775

と概ね同水準である。

これらの空売り金額のデータでは、11月に入って前年と大きく異なる動きは確認できず、その金額も突出しているわけではない。

なお、前年の2017年11月は、9月からの記録的な連騰の反動で日経平均がスピード調整する場面もあったが、その後は年末にかけて緩やかに上昇し、総じて堅調な推移をみせている。

空売り金額の減少=“売り枯れ”については前回の当コラム「全体相場の“浮上示唆”、空売り減に見える『売り枯れ』の予兆」(11月14日配信)で取りあげ、11月末に向けて基調転換する可能性があるのではないかと指摘した。

筆者は、こうした空売り金額と足もとの株価の動向を見る限り、日経平均は当面の底値は確認したのではないかと考えている。

◆東条麻衣子

株式注意情報.jpを主宰。相場変調の可能性が出た際、注意すべき情報、懸念材料等を配信。

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