【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 強烈逆風下の月足“陽転”
「強烈逆風下の月足“陽転”」
●米中貿易戦争は“緩和”で十分な好材に
終わったばかりの11月相場。米中貿易戦争とアップル株下落という2大ネガティブ材料に見舞われ、市場ムードは最悪ともいえる日々だった。
ところが、日経平均の月足チャートは陽線となった。しかも、10月の大きな陰線の後の「陽転」でもあった。その持つ意味は大きい。年末相場につながる動きと見てよいからだ。
確かに、このまま素直に上がり続けることはまずないだろう。しかし、「陽転」は当然、トレンドの転換を意味している。しかも、それは前述したように、米中貿易戦争とアップル株の下落という「2大ネガティブ材料=強烈な逆風」の中で生じたのだ。
市場ではこれら悪材料に対する耐性が備わり、今後はまず11月8日につけた高値2万2583円のクリアを目指すと見てよい。
もちろんこれだけでは不十分で、次は10月17日の高値2万2959円のクリアを目指してもらわなければならない。
その達成のために必要な条件とは何か? 米中貿易戦争が解決する。これがもっとも好ましいものの、そこまでの期待は持たない方がよい。
ただ、これまでよりは対立が緩和する。こうなるだけでも十分であり、これなら実現の可能性は高い。
●売られ過ぎ銘柄を見直し買い
アップル株の下落にしても、いつまでも続くわけではない。すでにアップルの新製品「iPhoneXR」の販売不振については、ほぼ材料は出尽くしたと見てよい。
今後、何か出てきたとしても、もう驚くようなものはないだろう。市場では、買い手掛かりとなる好材料もしばらくすると尽きてしまうが、売り材料も同様だ。
つまり、好悪の材料は「尽きる」ものであり、そうなると株価は低空飛行を続けるか、反発する。どちらにしても下げなくなるのであり、アップル株もそうなると見てよい。
そこで、ここでの投資は引き続き売られ過ぎ銘柄の見直し買いに期待して、まずは、再三取り上げている日産自動車 <7201> だ。ゴーン前会長と絶縁することで、新経営陣は経営の自由度を取り戻し、“新生日産”を目指して踏み出すことになる。それに期待したい。
新薬開発の治験支援で収益を伸ばし続けているリニカル <2183> も売られ過ぎであり、今後、正当な評価がなされると見てよい。
人手不足が深刻で、製造業界も雇用の確保に苦慮していることを考えると、製造業向け派遣や製造請負に強いアウトソーシング <2427> も、もっと高く評価されてもよいと思うのだが、実際には株価は7月高値2483円から、11月21日安値1162円まで売り込まれ続けた。しかし、ようやく見直し買いが入り始めた兆しがある。ここはそれに相乗りしてみたい。
来年は 新元号になる。現在、熱愛中のカップルたちは新元号初年の挙式を願うはずで、すでに株価は高いが、挙式に強いワタベウェディング <4696> に注目したい。また、まだ株価が上がっていないテイクアンドギヴ・ニーズ <4331> も魅力的だ。
そして12月はクリスマスが楽しみなので、オリエンタルランド <4661> 、ドンキホーテホールディングス <7532> も外せない。
2018年11月30日 記
株探ニュース