エレマテック Research Memo(1):事業環境の変化を先取りする形で自己変革に挑戦

特集
2018年12月7日 15時01分

■要約

エレマテック<2715>は電子材料を得意とするエレクトロニクス商社。2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した。その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。

1. 多数の取引先・商材と、変化へ高い適応力を武器に長期安定的に成長を実現

同社は1)多数の取引先(仕入先・販売先)と商材を抱えていることと、2)その時々の成長市場・成長商品を機敏につかまえる高い適応力の2つを特長・強みとして持ち、それを存分に発揮して長期にわたる安定的な収益成長を実現してきた。リーマンショックに際しても当時急拡大期にあったスマートフォン関連商材の取引を伸ばすことで減益を1期で収束させ、以降は増収増益を続けて最高益の連続更新を実現した。

2. 事業環境の変化に対応し、ファブレスメーカー的な存在への変身を目指す

そうした同社は今、強い危機感を持っている。環境変化や技術革新のスピードがますます速くなる現状に、過去の成功パターンや同社が有する強みが将来には通用しなくなるのではないかという危機感だ。これに対する同社の回答は商社からの脱皮だ。同社はかねてより、自社が目指すものとして“付加価値の創造・増大”や“モジュール化取引の拡大”、“加工サービス機能と企画開発機能の強化”などを掲げてきている。これらはみな同じことを意図しており、それを具現化した時の同社はいわゆるファブレスメーカー的存在となる。これから徐々に明らかになるであろう同社の中長期成長戦略において、“ファブレスメーカー”は重要な位置を占めてくると弊社では予想している。

3. 2019年3月期は増収増益を予想。強みを生かして成長けん引役の交代期を乗り切る

2019年3月期第2四半期決算は減収減益ながら計画線で着地した。スマートフォン関連需要の停滞で同社も関連部材の売上高が大きく減少した。しかしながら今後の成長エンジンと期待する自動車関連需要や一般産業界向け部材が順調に伸長し、利益面での影響はほぼ吸収した。2019年3月期通期については、スマートフォン関連向け商材の売上は底を打つ一方、自動車関連向け商材などは引き続き伸長するとして、期初予想を維持し増収増益を予想している。自動車関連向け商材は今後の同社の成長エンジンになると期待されるが、前述のファブレスメーカー的役割を実現しながら需要をどのように取り込んで成長するか見守りたい。

■Key Points

・加工サービス機能と企画開発機能を強化し、ファブレスメーカーへの変身を目指す

・期初予想を維持し、増収増益を予想。自動車関連が成長をけん引すると期待

・Automotiveの領域では、複数の事業戦略を想定できる。ファブレスメーカーへの脱皮と事業の成長をどう両立していくかが注目される

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《RF》

提供:フィスコ

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