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2018年12月6日 19時30分
特集

通信制御系SIに商機、5G投資で「システム開発関連」跳躍へ <株探トップ特集>

―通信メガキャリアによる巨額資金投下で喚起されるシステム投資需要―

2020年の商用サービス開始に向けて、次世代通信規格である第5世代移動通信(5G)に関連する投資が本格化している。NTT <9432> は11月に発表したグループ中期経営戦略のなかで、5Gに関するインフラ構築などの投資額について23年度末までに1兆円を投じると発表。KDDI <9433> も同様に今後5年間で1兆円規模の設備投資を行う方針だ。5G向け設備投資の前哨戦ともいえる基地局では、中国ファーウェイ、韓国サムスンなどが攻勢をかけ、競争が活発化しているが、一方で、ソフトウェア分野に関してはこれから徐々に投資が本格化するとみられている。5Gに関するシステム投資でメリットを受ける銘柄への関心を高めるタイミングだろう。

●19年度上期からシステム投資本格化か

5Gに関するシステム投資の代表的な分野である通信制御系システムは、4G向けや基地局用の開発一巡で足もとでは市場が縮小しているが、5G投資の本格化に伴い回復に向かうことが予想されている。また、「超低遅延技術」や「同時多数接続」が特徴の5Gは、これまでの4Gと異なりスマートフォンやタブレットなどの情報端末だけではなく、コネクテッドカー自動運転車などの自動車分野をはじめ、FAや医療分野などさまざまな分野への応用が見込まれており、それらを制御するシステムの開発需要が発生すると予想されている。

20年の商用化に先立つ19年9月には、日本で開催されるラグビーワールドカップに合わせて、NTTドコモ <9437> が5Gのプレサービスを開始する予定であるほか、その約半年前の3月には電波の割り当てが予定されている。これらに伴い、システムインテグレーターの間では19年度上期以降、5Gに関連したシステムの開発が多くなるといわれている。ただ、ソフトウェア開発を手掛ける上場会社は多い一方、通信制御系を手掛ける会社はそう多くはない。そのなか今回は、以下の銘柄に注目したい。

●サイバーコムは第3四半期35%営業増益

独立系で通信制御ソフトウェア開発の大手といえば、富士ソフト <9749> だが、その子会社サイバーコム <3852> も通信システム開発を手掛けている。

サイバーコムの第3四半期累計(1-9月)単独決算は、営業利益が4億5800万円だった。17年12月に決算期を変更したため、前年同期との比較はないものの、会社説明資料によると同一期間比で営業利益は34.9%増だったという。

主力のソフトウェア開発事業で、通信分野は4Gから5Gへの移行の端境期であるため、国内外で通信システム開発案件は減少しているものの、制御系の車載システムや半導体製造装置システムの開発案件が好調に推移し業績を牽引した。一方で、サービス事業に含まれる通信キャリア向けのネットワーク構築関連の基地局検証案件は堅調に推移しており、キャリア向けに強い同社の特徴が表れている。

なお、営業利益の通期予想(5億8000万円)に対する進捗率は79%と高く、業績予想の上振れも期待されている。また、親会社の富士ソフトも第3四半期営業利益の対通期進捗率は87%と高い。

●アルファは上期にNGN関連が伸長

通信制御系と業務系(オープンシステム)の両方のソフトウェア開発を手掛けるアルファシステムズ <4719> の第2四半期累計(4-9月)単独決算は営業利益が15億5300万円(前期比18.8%増)だった。

同社の通信システムは、上期売上高が52億2900万円(同1.4%増)だった。通信システムにはノード(電話交換機、伝送装置、中継装置、基地局)、モバイルネットワーク(基地局、携帯端末向けソフト開発)、ネットワークマネジメント(NTTグループ向けシステム開発など)があるが、5G基地局用ソフトの開発が徐々に出始めているもようで、上期はノード分野やネットワークマネジメント分野のNGN関連が増加し業績向上に貢献している。

同社に関しては一方のオープンシステムも好調で、ヤフー <4689> 向けが活発な流通・サービス分野を牽引役に製造業向けなども伸長している。同社の19年3月期業績は営業利益29億円(前期比2.2%増)見通しで、上期の進捗率は54%だが、前年同期は同46%であったことや、通信システム、オープンシステムとも足もと受注が堅調なことを考慮すると、上振れの可能性がある。

●アイエスビーは基地局装置の開発などが徐々に増加

アイ・エス・ビー <9702> は、モバイルインフラ向けシステム開発に強みを持つソフトウェア開発会社で、第3四半期累計(1-9月)連結業績は、営業利益6億7600万円(前年同期比51.2%増)と足もとの業績は好調だ。

ただ、モバイルインフラ分野における5G基地局向けは、基地局装置の開発や研究開発案件の受注は増えつつあるものの、足もとでは4Gの基地局検証業務収束の影響が大きく、同分野は苦戦している。一方で、組み込み分野は医療・車載関連や産業機器、IoT機器などに関連した幅広い業種からの受注が拡大しているほか、公共分野も堅調に推移している。

加えてニアショア、オフショアの活用などで採算も改善傾向にあり、8月には18年12月期業績予想を営業利益で7億2000万円から8億円に上方修正した。これに対する第3四半期の進捗率は84%と順調で、通期予想からの上振れが期待されている。

●ネットワークインテグレータにも注目

また、情報システムを動かすための通信ネットワークを構築するネットワークインテグレーターにも注目したい。5Gが普及すると、動画データを含む大量のデータがインターネット上を飛び交うため、通信ネットワークの増強が必要になる。それに伴い、ネットワークの基盤を形成する「バックボーン」の増強も必要になるが、5Gが本格的に動き出す20年には、早くもバックボーンの増強需要が発生するとみられている。

これにより、ネットワークインテグレーター大手である伊藤忠テクノソリューションズ <4739> やネットワンシステムズ <7518> を中心にビジネスチャンスの拡大が期待できるが、特に業務用システム開発部門を持つCTCは5G普及に伴うデータセンターの増加などでも受注拡大が期待できそうだ。

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