【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 米中摩擦に想定外の火種、揺れる市場の行方は?
「米中摩擦に想定外の火種、揺れる市場の行方は?」
●中国には不都合な米英加のトライアングル
思わず、「いや~、いろいろ起きるものだなあ」と呟きたくなってしまう。
米中貿易戦争や米国の長短金利の逆転などは、ある程度、予想可能ではあるものの、中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長兼最高財務責任者(CFO)の逮捕は、どんなに感覚を研ぎ澄ませていようが予測不可能だ。
もちろん株式市場では、ある日突然、思いがけないことが起きることは覚悟している。しかし、実際にそれが起きてみると、当然「想定外」のことなので、対応は難しいというより、不可能というほかない。
逮捕理由が明確ならまだ対応のしようもある。しかし、肝心のそれがよく分からないのだ。イランとの不法取引の疑いのようだが、それが事実なら逮捕されて当然であろう。米国はイランとの交易を禁じているからだ。
市場はこの点を軽視し、米中対立が激化すると見ているわけだが、華為技術(ファーウェイ)に対する疑念を米国当局に報告したのが英国の金融大手HSBCだということなので、中国も正面切って米国に猛抗議するわけにいかなくなると見てよい。
つまり、今回のことは、不正取引を報告したのが英国の金融大手、逮捕したのがカナダ、身柄の引き渡しを要求しているのが米国。こういう図式になり、さすがに中国も事をこれ以上大きくするわけにいかず、穏便に済まそうとすると考えられる。
●神経質な地合いながら、押し目狙える銘柄も
そのため、株式市場への影響も次第に薄らいでいくと見てよく、ここは少なくともジタバタと売買はしないようにしたい。
中国は先日の米中首脳会談で、米国から90日の猶予を与えられたことについて「米国の了解を得られるよう努める」と公約しているのだ。市場はもちろんそれに疑念を抱いているわけだが、私にいわせると、ここは目先に神経質になり過ぎだ。
ここのところの個別銘柄の値動きを見ると、日経平均株価ほど下げていない銘柄が多数あるのだ。それらがいまは適度な押しを入れた格好になっており、当然それらに投資すればよい。
そこで、具体的にはまずはパーク24 <4666> がある。駐車場ビジネスが好調な上に、カーシェアビジネスが拡大中であり、株価は底値から反発の兆しを見せたものの、すぐに失速した。上がり切ってしまわないうちにシフトしておきたい。
測量やGPS関連機器に強いことで知られるトプコン <7732> も反発後、反落という形になっているため投資有利と見る。
高値から反落した銘柄の中にも魅力的な銘柄はあり、セントラル警備保障 <9740> もそんな銘柄の一つになる。来年6月、G20が大阪で開催される。その 警備を引き受けることになると見てよく、株も期待が持てる。
毎度お馴染みの銘柄では、ブレインパッド <3655> とMonotaRO <3064> 、キッコーマン <2801> の浅い押し目を見逃さないようにしたい。
2018年12月7日 記
株探ニュース