楽観はできないがSQ値がもう一段上に切上がる可能性も【クロージング】

市況
2018年12月12日 16時04分

12日の日経平均は大幅に反発。454.73円高の21602.75円(出来高概算14億8000万株)で取引を終えた。中国は米国製自動車に対する関税を現行の40%から15%に引き下げる案が国務院に提出されており、数日以内に検討されると一部メディアが伝えた。中国が譲歩する格好から米中貿易摩擦の先行き懸念が後退する格好となり、一先ず安心感につながった。また、米中貿易摩擦の再燃として受け止められていたファーウェイ幹部の逮捕についても、カナダの裁判所が保釈を認めたと伝えられ、前向きに評価された。シカゴ先物にサヤ寄せする格好から21300円を回復して始まった日経平均は、その後も強含みの展開が続き、大引け間際には一時21631.47円まで上げ幅を拡大。その後も高止まりで推移し、本日の高値圏で取引を終えた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1800を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは33業種全てが上昇しており、精密機器が4%を超える上昇となったほか、電力ガス、証券、電気機器、機械、医薬品、海運、サービスの強さが目立った。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、ソフトバンクG<9984>、テルモ<4543>、エーザイ<4523>がけん引。

米中貿易摩擦については、中国でカナダの元外交官が拘束されるなど、楽観視はできない状況である。また、メイ英首相は欧州連合(EU)からの離脱協定をめぐる下院採決を先送りし、EUと内容の変更について再協議する意向を示しており、英国のEU離脱の行方も不安要因ではある。また、500円近い値幅での上下はそれ程珍しくなく、明確なボトム意識も高まらない状況であろう。

とはいえ、週末に先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)が控える中での大幅上昇は意外感があった。波乱のSQが警戒されやすい状況の中で、限月交代によるロールオーバー中心の商いではあるが、オプション権利行使価格が21125円処から21250、21375を突破し、21500-21625円処の権利行使価格水準に切上がりをみせており、ヘッジに伴う動きも意識されるところ。外部環境に振らされやすい状況には変わりはないとはいえ、SQ値がもう一段上に切上がる可能性もありそうだ。

その他、マザーズ指数は3%を超える上昇となった。これまで後場に入ると弱含む展開が多かったが、後場に入っても強い値動きが続いていた。同指数は一目均衡表では雲下限まで調整していたこともあり、反転が期待されるタイミングではあった。理想的な反発をみせてきたこともあり、個人のセンチメントを明るくさせたであろう。

《CN》

提供:フィスコ

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