クイック Research Memo(4):2019年3月期第2四半期業績は期初計画を上回った

特集
2018年12月14日 15時14分

■業績動向

1. 2019年3月期第2四半期の業績動向

クイック<4318>の2019年3月期第2四半期の業績は、売上高9,938百万円(前年同期比18.2%増)、営業利益2,017百万円(同19.1%増)、経常利益2,033百万円(同16.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,383百万円(同12.6%増)と2ケタの増収増益となった。期初の同社計画に対しては、売上高で242百万円、営業利益で87百万円、経常利益で82百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で31百万円の超過達成となった。国内の雇用情勢は、運輸や建設、製造業を始め幅広い分野で人手不足が深刻化しており、2018年9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.64倍、正社員有効求人倍率(季節調整値)が1.14倍、完全失業率(季節調整値)が2.3%と、労働需給はタイトになった。このような事業環境のなか、同社は、既存サービスの強化に加え新たな分野・サービスの開発を進める一方、優秀な人材の採用など積極的な人材投資によって事業基盤の強化を推進した。

人材サービス事業は売上高6,418百万円(前年同期比18.2%増)、営業利益は1,877百万円(同17.8%増)となった。人材紹介については、建設・土木分野や製造分野、病院や介護施設における採用ニーズが引き続き活発で、ここ数年キャリアコンサルタントの育成に積極投資してきたこともあり、売上高は順調に拡大した。しかし、競合他社との登録者獲得競争は激化しており、効果的なプロモーション・サイト運営や看護師国家試験対策アプリのリリース、きめ細かな登録者対応などにより差別化を推進している。人材派遣・紹介予定派遣・業務請負などでは、人手不足により医療・福祉分野のスタッフ派遣や保育士派遣、一般のパートタイム派遣も引き合いは強かったが、登録者獲得競争の激化により売上高はやや弱めに推移したもようである。保育園を運営する子会社(株)ワークプロジェクトでは、10月に大阪府箕面市に90名規模の認可保育園を立ち上げた。

リクルーティング事業は売上高1,744百万円(同11.1%増)、営業利益353百万円(同9.4%増)となった。中途採用領域において引き続き正社員向け採用広告の取扱いが好調だったほか、アルバイト・パート採用広告の取扱いも堅調に推移した。新卒採用領域についても、2019年3月卒業予定大学生向け採用広告、2020年3月卒業予定大学生向けインターンシップサイト向け広告はともに好調だった。加えて、採用広告の効果をさらに上げるためのコンサルティング商品や採用業務の一部代行、適性検査などの取扱いも順調だった。

情報出版事業は売上高921百万円(同10.4%増)、営業利益は38百万円(60百万円の改善)となった。情報出版事業では、北陸の結婚情報誌「結婚SANKA」が好調だったほか、金沢や高岡などの生活情報誌、住宅情報誌「家づくりナビ」が堅調だった。また、高岡エリアへの進出や価格改定により折り込みチラシなどのポスティングサービスが順調に伸びたほか、コンシェルジュサービスが転職とウェディングの領域で業績を大きく伸ばした。

その他は売上高854百万円(同49.5%増)、営業利益125百万円(同27.3%増)となった。ネット関連事業では、人事・労務に関する情報ポータルサイト「日本の人事部」の広告収入が引き続き順調に拡大したほか、「日本の人事部」の13万人を超える会員ネットワークを活用し、全国の人事が抱える課題や施策などに関する調査報告書「人事白書2018」を発行するなど「日本の人事部」ブランドを生かしたサービスを展開した。

海外事業では、外国人の労働ビザ取得の厳格化、就労資格者の獲得競争が激化した一方、企業の採用意欲が旺盛だったため、QUICK USA,Inc.での人材紹介がロサンゼルスとニューヨーク両拠点ともに順調となり、人材派遣はニューヨーク中心に堅調に推移した。上海クイック有限公司は、中国景気は低調だったものの優秀な人材に対する企業のニーズは高く、教育研修、人事制度設計、適正報酬分析を始めとする人事労務コンサルティングや人材採用コンサルティングが好調だった。QUICK GLOBAL MEXICO,S.A.DE C.V.においては、日系自動車関連メーカー中心に通訳や営業・生産管理職などの採用ニーズは高かったが、コンサルティング期間が長期化したことでやや伸び悩んだ。前期下半期から連結のCentre People Appointments Ltdは、現地日系企業の採用ニーズが堅調ななか、人材紹介の営業体制強化にも取り組んだことから業績は順調に推移した。QUICK VIETNAM CO.,LTD.では、アパレル業界や建設業界を始め現地日系企業の採用ニーズが旺盛で、人材紹介が引き続き好調だった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HN》

提供:フィスコ

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