“追い風再び”「ドローン関連株」高速浮上へ、話題の有力IPO登場も刺激材料に <株探トップ特集>

特集
2018年12月12日 19時30分

―「インフラ老朽化対策」本格化が活躍の舞台を提供、自律制御システム研究所の上場接近で話題性クライマックス―

小型無人航空機(ドローン)の飛行に関する基本的なルールを定めた改正航空法の施行から今月10日で3年が経った。この間、ドローンを使ったビジネスは幅広い分野に広がり、国土交通省によれば2017年の飛行許可承認申請数は約1万9000件(16年は約1万2000件)と急速に伸びている。12月21日には東証マザーズ市場に商業用ドローンの製造販売などを手掛ける自律制御システム研究所 <6232> [東証M]が新規上場するという話題性もあり、関連株に再びスポットライトが当たる可能性が高まっている。

●国内市場規模24年度に3700億円超へ

ドローンとは遠隔操作や自動操縦が可能な飛行体の総称で、加速度センサーや電子コンパスといったセンサー類、カメラ、データを保存するフラッシュメモリー、全地球測位システム(GPS)などが搭載されている場合が多い。これにより、高度の維持や障害物の回避、写真や動画の撮影ができるほか、事前にプログラミングされた飛行経路に沿った自動航行が可能になる。

農林水産省の資料では、ドローンの国内市場規模は17年の503億円から18年には806億円、24年度には3711億円に拡大すると予測されており、身近なテクノロジーとなりつつある。現在、飛行申請は空撮を目的とするものが多くを占めているが、徐々に測量やインフラ点検・保守、事故・災害対応、農業支援、物流で利用されるケースも増えている。

例えば、農業分野では無人のラジコンヘリに代わる新しい農薬散布の方法として関心が高まっており、クボタ <6326> やヤマハ発動機 <7272> 、丸山製作所 <6316> などが専用機を販売。オプティム <3694>人工知能(AI)がドローンやロボットが撮影した画像を解析し、ピンポイントで農薬散布を行う技術に関する基本特許を取得している。

物流分野では、国家戦略特区となっている千葉市が楽天 <4755> などと組んでドローンを使った宅配実験を実施しているほか、ゼンリン <9474> は長野県伊那市が行っているドローン物流プロジェクトに参加。日本郵政 <6178> グループの日本郵便は11月7日から福島県で、ドローンを使った郵便局間の荷物輸送を開始しており、機体は自律制御システム研究所が提供している。

●政府の重要インフラ補修による需要増を期待

ドローンの利点として挙げられる「機動性」「接近能力」「データ収集能力」が存分に発揮できるのが、人が近づくことが危険な場所が多いインフラの点検・保守の分野だ。小型であるドローンは、有人航空機やヘリコプターなどに比べて活動できる空域・空間の制約が少なく、高高度から低高度まで飛行しながら撮影できるほか、大型の航空機が近寄れない狭所での作業が可能。また、一般的なカメラだけでなく、熱感知センサーや超音波センサー、レーザーセンサーなど多様なデータ収集機器を搭載することができ、点検・保守に適しているといえる。

国内では高度経済成長期に集中的に整備されたインフラの老朽化が進んでおり、国交省によると17年12月時点で全国の道路橋のうち約23%が建設後50年以上を経過。33年には約61%に高まると試算されている。こうしたなか、12月5日付の日本経済新聞は「政府は老朽化した重要インフラを補修するため、2018年度から20年度までの3年間で3兆円超を投じる方針を固めた」と報じており、ドローンにフォローの風が吹くことになりそうだ。

関連銘柄としては、ソフトバンクグループ <9984> がドローンによる社会インフラの保全を行う新たなサービスを19年春から開始する予定であるほか、NTT <9432> グループのNTTコムウェアはドローンやAIなどを活用した社会インフラの点検・保守サービスを18年度末にも始める計画。

日立製作所 <6501> はグループ企業と共同でAIを活用したドローンによるインフラ点検サービスの適用範囲を拡充し、アマナ <2402> [東証M]グループのアマナビはインフラ保全活動や精密農業などで活用が期待されるビジュアルサーベイ(撮影による調査)に特化したサービスを新たに始めた。

このほか、水道管の中を飛行できる機体を自律制御システム研究所と共同開発済みのNJS <2325> 、橋梁点検用のドローンを開発した川田テクノロジーズ <3443> 、空中写真測量システムに対応した専用ドローンを提供しているトプコン <7732> 、ドローンによる三次元測量を支援するサービスを提供しているパスコ <9232> 、橋梁点検のニーズを満たしたドローンの機体を開発済みの大日本コンサルタント <9797> [東証2]などにも注目したい。

●ドーン、イメージワン、アクモスなどにも注目

ドローンの活用方法は、今後「空」に関する潜在的なニーズが増えるにつれて更に広がることが予想され、周辺企業も恩恵を受けそうだ。

GIS(地理情報システム)を手掛けるドーン <2303> [JQ]、中期経営計画でドローン関連ソフトウェアの販売強化を掲げているイメージ ワン <2667> [JQ]、子会社が地理情報システムの販売などを行っているアクモス <6888> [JQ]、加速度センサーなどを展開する北陸電気工業 <6989> 、画像センサーを手掛けるインターアクション <7725> 、ドローン飛行支援地図サービスに保険をセットした「SORAPASS care」を販売するSOMPOホールディングス <8630> 、航空測量のためのドローンパイロットスクールを運営するアジア航測 <9233> [東証2]などの商機拡大が期待される。

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