ログイン
2018年12月27日 19時30分
特集

“不眠大国”返上へ、19年相場「スリープテック関連株」目覚めの時 <株探トップ特集>

―睡眠不足を原因とした経済損失は実に15兆円、社会問題解決に向け動きだす企業群を追え―

テレビ情報番組で取り上げられるなど、睡眠の質をテクノロジーで改善する「SleepTech(スリープテック)」に関心が高まっている。睡眠の重要性が指摘されるなか、関連する書籍が人気を集めているほか、快眠のための枕やマットレスなどの商品が相次いで販売され、最近ではセンサー技術を活用したサービスなども登場している。日本は世界有数の“不眠大国”ともいわれており、2019年は「スリープテック」が注目キーワードとして浮上する可能性がありそうだ。

●2人に1人が睡眠に不満を抱える

睡眠は心身の健康を保つうえで非常に重要な要素のひとつだが、忙しい現代人にとって満足できる睡眠時間を確保することは難しい。厚生労働省が9月に発表した「17年の国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満にとどまる人の割合は増加傾向にあり、男性は36.1%、女性では42.1%。年齢別では40代が最も高く、それぞれ48.5%、52.4%となっており、これは働き盛りの世代であることや、育児・家事で忙しいことなどが背景にあるとみられる。

また、スリープテック事業を展開するニューロスペース(東京都千代田区)が17年に行った20~50代の男女800人を対象にした調査では、半数以上が自身の睡眠に何らかの不満を抱えていることや、睡眠の満足度が日中の生産性に影響を及ぼしていることが明らかとなった。睡眠不足の原因では、働き方改革が徐々に浸透しているにも関わらず「帰宅時間の遅さ」を挙げる声が多く、次いで「ベッドや布団に入ってからのスマホ」、「起床を早くする必要性(通勤・通学に時間がかかるため)」などとなっている。スマートフォンの普及により、寝ながらスマホが睡眠を阻害している事例が増えてきている。

●従業員向け勉強会の開催相次ぐ

不眠症や過眠症、体内時計の障害などの悩みを持つ人は増える一方だが、睡眠不足は集中力の低下を招くだけでなく、高血圧や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病の原因につながる恐れがあり注意が必要だ。米国のランド研究所が16年に発表した調査では、日本における睡眠不足を原因とした経済損失は約15兆円とされ、企業の生産性に大きな支障をきたす社会問題となっている。

こうしたなか、ユーグレナ <2931> や住友商事 <8053> などが従業員を対象とした睡眠に関するセミナーを開いたり、ホープ <6195> [東証M]が「ビジネス×睡眠」と題した勉強会を開催したりと企業の意識が高まっている。また、花王 <4452> が生活リズムと睡眠との関係を解明したほか、機能性表示食品「賢者の快眠 睡眠リズムサポート」を販売する大塚ホールディングス <4578> が久留米大学などと「目覚め方改革プロジェクト」を立ち上げるといった動きもみられている。

●ARMは睡眠問題解消アプリを買収

今後の成長が期待できる分野として睡眠関連市場が注目されるなか、さまざまな企業が多様な視点でアプローチしており、アドバンテッジリスクマネジメント <8769> はアカツキ <3932> の睡眠問題解消アプリを買収。同社はこれをカスタマイズし、19年春にリリースする予定だ。

また、東京ガス <9531> は11月、バイオ&IT企業のエコナビスタ(東京都千代田区)と睡眠状態のセンシング及びデータサイセンス技術をもとにしたサービスの共同開発で合意。10月にはANAホールディングス <9202> とニューロスペースが共同開発する海外渡航者向けの「IoTを活用した時差ボケ調整システム」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択された。

●MTGはAIモーションマットをリリースへ

これ以外では、帝人 <3401> がウェアラブルデバイスやウェブアプリなどを活用することで睡眠力の向上を図る「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」を展開しているほか、朝日ラバー <5162> [JQ]は簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステムの開発を推進。

凸版印刷 <7911> はシート型生体センサーを使って睡眠の質を解析できる「SensingWave 睡眠見守りシステム」を販売し、NTTドコモ <9437> 子会社のドコモ・ヘルスケアは睡眠マネジメント力の習得をサポートする「my sleep」を提供。MTG <7806> [東証M]は19年秋に睡眠の質を高める「AIモーションマット」をリリースする計画を打ち出している。

一方、こうした動きを迎え撃つかたちとなる寝具メーカーでは、西川産業(東京都中央区)が3月からパナソニック <6752> と睡眠関連サービスの共同開発をスタート。

ベッドメーカーのパラマウントベッドホールディングス <7817> は11月に東京大学工学系研究科電気系工学専攻教授の染谷隆夫氏と、最先端のセンサー技術を活用した機器の開発・販売や情報サービスを提供する合弁会社を設立した。

また、フランスベッドホールディングス <7840> は同月から、海外製の非装着型の睡眠センサー「RestOnスリープトラッカー」及び睡眠連動型ライト「Noxスリープライト」の取り扱いを開始している。

株探ニュース

株探トップ特集

いま最もホットなテーマを分析!

関連記事・情報

  1. 新年相場を彩る、19年2月期【上方修正】候補リスト <成長株特集> (12/27)
  2. 新春相場にバトンを繋ぐ好実態株、最高益更新の超割安株に仕込み好機!<株探.. (12/26)
  3. 大川智宏の「IPOでつまずいたソフトバンク株、急落相場に強い可能性も」 (12/26)
  4. 武者陵司 「株式暴落の正体」 (12/27)
  5. 暴落だからこそ買い場! 株主優待&配当利回りで買う有望株リスト <株探トップ.. (12/25)
  6. 暴落で注目される【高配当利回り銘柄】ベスト30 【2部・新興】編 <割安株特集> (12/26)
  7. 高成長【始動】候補リスト 43社選出 <成長株特集> (12/24)
  8. 「キャッシュレス決済」は3位、政府のキャッシュレス決済比率引き上げ方針で息.. (12/26)
  9. 株探★無料会員向け【お気に入り銘柄】登録機能をリリース!
  10. ★グローバルナビ【日本の株主】リリース!

人気ニュース (直近8時間)

  1. 1
    話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンバイオ、コロプラ、KLab 注目
  2. 2
    ★本日の【サプライズ決算】速報 (09月20日) 注目
  3. 3
    上方修正“先回り”、20年3月期【業績上振れ】候補 〔第2弾〕 <成長株特集> 特集
  4. 4
    【高配当利回り銘柄】ベスト30 <割安株特集> 9月18日版 特集
  5. 5
    ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (5)決算速報は有望銘柄の宝庫 特集
人気ニュースベスト30を見る
ゲストさん プレミアム会員登録
ログイン PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘することを目的としておりません。
投資の最終決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、 China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.