話題株ピックアップ【夕刊】(2):安川電、武田、LINE
■安川電機 <6506> 2,736円 +103 円 (+3.9%) 本日終値
安川電機<6506>、キーエンス<6861>、ファナック<6954>がいずれも3日続伸と上値追い。米中貿易協議を巡っては、トランプ米大統領のツイッター投稿などを受け両国の間で落としどころを探る交渉が進んでいるとの思惑が高まった。貿易摩擦問題に対する不安心理の後退を背景に、中国向け売上比率の高い機械セクターへの買いが続いている。なお、安川電はあす10日に18年3~11月期決算を発表する見通しで、中国関連株全般の動きを左右する公算も大きいだけにマーケットの関心が高い。
■FDK <6955> 1,006円 +36 円 (+3.7%) 本日終値
FDK<6955>が高い。きょう付けの日経産業新聞で、「次世代電池の本命とされる『全固体電池』の事業化を急ぐ。指先にのる小型のチップ型電池のサンプル出荷を始めた」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、同社が開発した全固体電池は、長さ4ミリメートル、高さと幅が2ミリのサイズで、電子部品のように装置に組み込めるという。また、20年以降の本格立ち上げをにらんで専門組織を発足したとあり、他社に先駆けてサンプル出荷を始めることで、シェア獲得を狙う考えのようだ。
■武田薬品工業 <4502> 4,200円 +115 円 (+2.8%) 本日終値
武田薬品工業<4502>が商いを膨らませ4日続伸と戻り足を強めているほか、医薬品セクター全般に買いが目立つ。市場では「武田薬は証券会社の強気のレーティングや目標株価が相次いでいるほか、アイルランドの製薬大手シャイアーの買収ではここ最近の円高・ポンド安で買収負担額が軽減されるとの思惑がポジティブ材料」(国内ネット証券アナリスト)としている。また、医薬品株全般への買いが勢いを増していることについて、「昨年年末にかけて米中貿易摩擦の影響を受けにくいセクターにもかかわらず、機関投資家経由の大口の売りが目立った。直近は米株市場でバイオ関連株が切り返しに転じていることで、その流れが東京市場にも波及した」(同)という見解を示している。
■LINE <3938> 4,030円 +110 円 (+2.8%) 本日終値
LINE<3938>が4日続伸。8日の取引終了後、エムスリー<2413>とオンライン医療事業を目的とした共同出資会社「LINEヘルスケア」を4日に設立したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。新会社は、「LINE」の国内月間利用者数7800万人のユーザーベースと、エムスリーグループの「m3.com」における日本の臨床医の約9割にあたる27万人以上の医師会員、日本の薬剤師の半数超にあたる16万人以上の薬剤師の会員基盤と医療分野における知見やノウハウを生かし、「LINE」を活用した医療に関するQ&Aや遠隔健康医療相談、オンライン診療をはじめとするオンライン医療事業を展開するという。まずは19年中に遠隔健康医療相談サービスの開始を予定しているほか、法整備の進展を見ながら「m3.com」の薬剤師会員基盤を活用した処方薬の宅配サービスなども検討するとしている。なお、新会社の出資比率はLINE51%、エムスリー49%でLINEの連結子会社となる。
■コカBJH <2579> 3,290円 +90 円 (+2.8%) 本日終値
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス<2579>が反発。8日の取引終了後、4月1日出荷分から一部の大型ペットボトル製品を値上げすると発表しており、採算改善への期待から買われたようだ。値上げの対象となるのは、「コカ・コーラ」「ファンタ」の1.5リットル及び2リットルペットボトルや、「アクエリアス」「綾鷹」「爽健美茶」の2リットルボトル、更にゼリー飲料「ミニッツメイド ぷるんぷるん」「Qoo(クー)」などで一律20円値上げする。会社側では、物流費の高騰に加えて原材料価格も上昇を続けており、企業努力だけでは吸収が困難になってきたことが値上げの要因としている。
■アステラス製薬 <4503> 1,523.5円 +40.5 円 (+2.7%) 本日終値
アステラス製薬<4503>は3日続伸。この日の寄り前に、米アムジェンとの合弁会社アステラス・アムジェン・バイオファーマと日本で共同開発を進めてきたヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤イベニティについて、骨折の危険性の高い骨粗鬆症の治療薬として、世界各国に先駆けて厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表しており、これを好感した買いが入った。イベニティは骨形成促進剤で、骨形成促進と骨吸収抑制の両作用により、骨密度(BMD)を増加させ、骨折リスクを低下させる作用を持つ。また現在、米国食品医薬品局(FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)でも販売許可申請について審査中で、各規制当局との連携も継続中としている。
■マクドナルド <2702> 4,910円 +130 円 (+2.7%) 本日終値
日本マクドナルドホールディングス<2702>は4日続伸。8日の取引終了後に発表した12月度の月次動向で、既存店売上高が前年同月比8.8%増と37カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。毎年冬の風物詩として人気の「グラコロ」シリーズとして「超グラコロ」と「濃グラコロチーズフォンデュ」の2種類を販売したことが寄与。また、サイドメニューのチキンマックナゲットでクリスマスと正月用のキャンペーンを実施し、パーティ用の特別サイズと2種類の期間限定ソースを投入したことも好評だった。
■エービーシー・マート <2670> 6,210円 +160 円 (+2.6%) 本日終値
エービーシー・マート<2670>が反発。8日の取引終了後に発表した12月度概況で、既存店売上高が前年同月比6.1%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年と比べて祝日が1日多かったことに加えて、北日本を中心とした降雪需要や新年へ向けた買い替え需要が好調に推移。商品別では防水防寒系シューズのほか、引き続きスポーツシューズ、キッズシューズ、アパレルの販売が好調だった。なお、全店売上高は同7.8%増だった。
■アルペン <3028> 1,788円 +46 円 (+2.6%) 本日終値
アルペン<3028>が反発。午後1時ごろ、300人程度の希望退職者の募集を行うと発表。来期以降の収益力強化につながるとの見方から買いが入ったようだ。対象となるのは、19年3月20日時点で同社および子会社ジャパーナに在籍する45歳以上64歳未満の社員で、募集期間は2月4日から2月20日まで。応募した退職者に対しては規定に基づく退職金に加えて、特別加算金の支給を行うとしており、19年6月期第3四半期に特別加算金および再就職支援費用を特別損失として計上する予定としている。
■セイノーHD <9076> 1,468円 +37 円 (+2.6%) 本日終値
セイノーホールディングス<9076>は反発。PER14倍台、PBR0.7倍台と株価指標面では割安で、東証信用倍率も0.21倍の売り長状態にある。同社は昨年11月9日、19年3月期通期連結業績予想の上方修正を発表した。売上高は6020億円から6160億円(前期比3.3%増)へ見直したほか、経常利益は308億円から338億円(同16.1%増)へ、最終利益を196億円から210億円(同4.8%増)へ増額した。傘下の西濃運輸での輸送事業の単価是正が業績に寄与するほか、新規荷主の獲得を始めとする取扱貨物の増加も貢献する。
株探ニュース