欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋り、米中摩擦解消期待で円売り続くが調整のドル売りも

通貨
2019年1月18日 17時25分

18日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米トランプ政権の対中制裁関税引き下げの思惑から円売りの流れが続く見通し。ただ、明日からの米国の3連休を控え、今晩発表となる12月鉱工業生産などは鈍化が予想されていることで、持ち高調整的なドル売りも見込まれる。

前日の欧米市場では、英国の欧州連合(EU)離脱の延期観測や合意なき離脱回避への期待が広がり、リスク選好的な円売りがドルをはじめ主要通貨を押し上げた。また、この日発表された米国の1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数など経済指標は予想を上回る内容となり、米10年債利回りが上昇。さらに、トランプ政権が中国に対する制裁関税の引き下げを検討しているとの報道を受け、円売り基調がさらに強まった。本日アジア市場はその流れを受け継ぎ、ドル・円は109円前半を中心に推移。この後、ドル売り意欲が強いとみられる109円半ばを上抜けられれば、今年最高値の109円70銭台が視野に入る。

今晩は米国の12月の鉱工業生産や1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値など経済指標が注目される。製造業関連指標については、直近では12月ISM製造業景況指数や1月NY連銀製造業景気指数などの低調な内容が目立ち、米地区連銀経済報告(ベージュブック)は製造業の成長鈍化を指摘。前日発表の1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は堅調となったが、今晩の鉱工業生産は伸び鈍化が予想されており、景気減速への懸念や利上げ休止への観測が再燃しよう。21日はキング牧師誕生日による休日で米国市場は明日から3連休となることもあり、調整のドル売りが見込まれる。ブレグジットへの過度な警戒は弱まったが、ドルの110円回復は連休明け以降になりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・18:00 ユーロ圏・11月経常収支(10月:+230億ユーロ)

・18:30 英・12月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-0.8%、11月:+1.4%)

・22:30 カナダ・12月消費者物価指数(前年比予想:+1.7%、11月:+1.7%)

・23:05 ウィリアムズNY連銀総裁講演(米国の経済見通しと金融政策)

・23:15 米・12月鉱工業生産(前月比予想:+0.2%、11月:+0.6%)

・23:15 米・12月設備稼働率(予想:78.5%、11月:78.5%)

・24:00 米・1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:96.8、12月:98.3)

・01:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演(地域の将来など)

《FA》

提供:フィスコ

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