【杉村富生の短期相場観測】 ─ 個別物色機運は極めて旺盛だぞッ!
「個別物色機運は極めて旺盛だぞッ!」
●大発会以降、ストップ高が累計134銘柄に!
全般相場はいまひとつ盛り上がりに欠けるものの、個別物色機運は極めて旺盛である。なにしろ、1月4日(大発会)以降、16日までにストップ高銘柄は累計134銘柄に達する。ここだけを見ていると、相場は抜群に強いじゃないか。
古来、暴落日の“赤札”(逆行高)銘柄を狙え、新高値銘柄を買え、などという。軟地合いの状況下、買われるにはそれなりの材料がある。そう、株価は正直だ。だからこそ、筆者は元気な銘柄にマトを、と主張している。まあ、これは株式投資のセオリー(基本)だが……。
ちなみに、強い銘柄はスマートバリュー <9417> 、シリコンスタジオ <3907> [東証M]、TOKYO BASE <3415> 、ディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証M]、エスプール <2471> [JQ]、エヌリンクス <6578> [JQ]、青山財産ネットワークス <8929> [東証2]、エコモット <3987> [東証M]など。
強い銘柄(小物が多い)は好業績、かつ好需給だ。さらに、テーマ性を内包している。もちろん、外部環境、外国人、先物などの影響を受けづらい。個人投資家にとっては格好の投資対象だろう。
●EUの行方、NY市場のリスク要因とは…?
全般相場は相変わらず、もたついている。筆者は2月中旬、5~6月に今年のヤマ場(高値→短期的な売り場)が到来する、と判断している。2月中旬は、3月1日の米中貿易協議の期限を前に気迷い感が強まる可能性がある。
イギリスのEU離脱は3月29日だが、このままでは強行離脱に追い込まれるだろう。これを避けるにはEUサイドに期限の延長を要請し、再度の国民投票(準備に22週間→6~7月)を行うしかない、と思う。
4~5月には統一地方選挙に加え、新天皇の即位(国民的な慶事)、7月には 参院選挙が控えている。亥年は12年に一度、統一地方選挙と参院選挙が重なる。経験則では、与党が苦戦しそうだ。当然、このタイミングでの景気失速、株価急落は許されない。政府は政策総動員態勢となろう。
年後半は? そのときはそのときだ。政局は選挙によって大きく変わる。このため、ちょっと先の話になるが「6月の高値ゾーンは確実に利食いを」と筆者が叫んでいるのだ。これがリスク・マネジメントである。
一方、NY市場は堅調だ。2~5月は税金の還付がある。その資金がミューチュアルファンドを通じ、マーケットに流入する。ただし、連邦政府の窓口閉鎖が長引き、債務上限の引き上げ交渉が難航するようだと、国債格下げ→金利上昇の不測の事態が起こり得る。
2019年1月17日 記
株探ニュース