高橋春樹氏【日経平均2万2000円台が視界、強気相場到来か】(2) <相場観特集>

特集
2019年3月4日 19時45分

―米中貿易摩擦が解消? 上昇相場加速の可能性を探る―

週明け4日の東京株式市場はリスク選好ムードに支えられ、全体指数は前週末の地合いを引き継いで上値を指向する形となった。日経平均株価は10月2日高値から12月26日安値までの半値戻しである2万1700円どころをクリアすると同時に、25日移動平均線も上回り、トレンド転換を示唆している。出足好調な3月相場のスタートで、投資家の期待も膨らむ場面。東京市場はいよいよ強気相場の色を強めるのか否か、第一線で活躍する市場関係者にここからの展望を聞いた。

●「日経平均は3月末までに昨年12月高値目指す展開に」

高橋春樹氏(三木証券 取締役 商品本部長)

きょう日経平均が大幅続伸したことで、昨年10月2日の高値(2万4448円07銭)から12月26日の安値(1万8948円58銭)までの下落幅の半値戻しに相当する2万1700円水準を回復してきた。前回の「相場観特集」(2月4日掲載)でも指摘した通り、東京株式相場が今後も上昇トレンドを維持できるかどうかは二つの条件に集約される。一つ目は、米国株式市場が堅調な推移を保てるかどうか。二つ目は、外国為替市場で、円安・ドル高基調が定着するかどうかだ。

米株式市場では、先週末の1日にS&P500指数が重要なフシ目とされる2800ポイントを回復して戻り高値をつけ強調展開となっている。米ウォールストリート・ジャーナル紙の電子版は3日、米中貿易協議が最終局面に入り、今月27日ごろにトランプ大統領と習近平国家主席が会談し、正式に合意する可能性があると報じている。また、合意した場合、米国側は中国からの輸入品に課している追加関税の大半の撤廃を検討しているとも伝えている。

米中首脳会談開催までは、合意への期待感から株価は上昇継続となりそうだ。ただ、米中貿易摩擦緩和期待はかなりの部分既に織り込まれており、3月下旬には好材料出尽くし感から、上昇一服となる可能性もある。しかし、一服後は摩擦緩和による実体経済の好転を評価して、株価は再び上昇軌道に復帰することになりそうだ。今年度内の3月末までの日経平均は、昨年12月3日につけた高値の2万2698円79銭を目指す展開と見ている。新年度入りして以降は、昨年来高値の2万4448円07銭が射程圏内に入ってくる。

今後の物色対象としては、中期的には内需系安定成長銘柄の花王 <4452> 、リクルートホールディングス <6098> といった優良株を挙げたい。外需系では、世界的なレベルでの構築が待ったなしとなっている5G(第5世代移動通信システム)やサブスクリプション(一定期間の定額制支払い)に対応した設備投資需要の拡大が期待できる。具体的には、アンリツ <6754> 、太陽誘電 <6976> 、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> 、ネットワンシステムズ <7518> 、新日鉄住金ソリューションズ <2327> などに注目している。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)

1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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