ハイテクやソフトバンクG主導で3月SQ値突破を意識/オープニングコメント
12日の日本株市場は、米株高の流れを受けて買い先行のスタートとなり、日経平均は3月SQ値(21348.40円)を意識した相場展開が見込まれる。11日の米国市場は上昇し、NYダウは200ドル高となった。パウエルFRB議長がメディアのインタビューで現在の政策金利が適切であるとの認識を示したことが材料視されたほか、米半導体メーカーのエヌビディアはイスラエルの半導体メーカー、メラノックス・テクノロジーズの買収で合意との報道を受けて、他の半導体株への支援材料となっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比210円高の21140円。円相場は1ドル111円20銭台で推移しており、前日の段階からやや円安に振れて推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行となろうが、配当落ち分を考量すると21300円を超えてくる格好となるため、3月SQ値を捉えてくる展開が意識される。幻のSQではないものの、先週末にはSQ値に抑えられる格好で大きく下げていたこともあり、SQ値回復でセンチメントを明るくさせてくる可能性がある。また、米国市場では久しぶりに米半導体株が相場をけん引する格好となったことも、日経平均の押し上げにつながることになりそうだ。
まずはSQ値突破を見極めたいところであるが、再び上値を抑えられる格好になるようだと、神経質な相場展開に向かいやすい。ただし、前日の動きをみても21000円を下回る局面においては買い戻しの動きが観測されている。抵抗線突破により買い戻しの動きが強まる可能性が期待されるところであろう。買い方は依然として慎重姿勢であるほか、期末接近で商いは膨らみづらいところであるが、その分ポジションが大きく買いには積み上がっていないため、断続的なインデックス売買によって日経平均は押し上げられやすい面もある。
指数インパクトの大きいハイテク株やソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>が日経平均をけん引する相場展開といったところであろう。なお、週末のオムロン<6645>の指数組み入れに伴う買い需要に対して、資金手当てに伴う売りが重石になりそうだが、これが通過してくると期末に向けては配当落ちに伴う再投資の資金流入が意識されてくるため、新規売りが積み上がる流れにはなり難いと考えられる。
《AK》
提供:フィスコ