話題株ピックアップ【夕刊】(2):川崎汽、安川電、SUMCO
■川崎汽船 <9107> 1,179円 -67 円 (-5.4%) 本日終値
川崎汽船<9107>が急反落し昨年来安値を更新。全般相場の下落に加えて、SMBC日興証券が22日付で、投資評価「3」を継続しつつ、目標株価を1400円から1000円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では、21日付の日本経済新聞朝刊で「500億円弱の資金を新たに調達する方針を固めた。3月中にも主要銀行から劣後ローンを借り入れる見通しだ」と報じられたことを受けて、劣後ローンの借り入れが実行されれば、信用格付け面での資本強化は一定程度図れると評価。ただ、3月7日に発表した特別損失の計上などにより、(1)自己資本比率は依然10%台にとどまること、(2)20年3月期以降の資本蓄積のペースは緩やかになるとみていることなどから、業績面、財務面での苦しい状況が続くと指摘している。
■安川電機 <6506> 3,360円 -190 円 (-5.4%) 本日終値
安川電機<6506>が大幅安。世界景気の減速懸念が改めて意識されているが、欧州の市場コンセンサスを下回る低調な経済指標は中国景気減速の影響が大きい。同社はメカトロ製品大手で中国向けFA投関連の需要が大きなウエートを占めており、その連想売りに晒されている。株価は年初から下値切り上げ波動を形成しているが、足もとは25日移動平均線に接触するところまで売られており、時価近辺は正念場となっている。
■ツクイ <2398> 718円 -38 円 (-5.0%) 本日終値
ツクイ<2398>が急反落。前週末22日の取引終了後、19年3月期の連結業績予想について、売上高を883億9500万円から863億3000万円(前期比5.6%増)へ、営業利益を47億9500万円から41億円(同20.5%減)へ、純利益を25億3800万円から19億1000万円(同33.9%減)へ下方修正したことが嫌気された。主力のデイサービスで顧客の獲得が計画通り進んでいないことが下方修正の主な要因としている。
■オークワ <8217> 1,105円 -54 円 (-4.7%) 本日終値
オークワ<8217>は続落。前週末22日の取引終了後、集計中の19年2月期連結業績について、売上高が2690億円から2650億円(前の期比1.4%減)へ、営業利益が33億円から28億円(同30.6%増)へ、純利益が12億円から2億5000万円(同75.0%減)へ下振れて着地したようだと発表した。スーパーマーケット事業における客数の伸び悩みや人件費の上昇が利益を圧迫した。また、営業店舗の減損損失計上額が想定以上となったことも最終利益を押し下げた。
■SUMCO <3436> 1,235円 -52 円 (-4.0%) 本日終値
SUMCO<3436>、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>などが下値を探る動き。前週発表された欧米の経済指標が市場予測を下回る低調な結果だったことを受け、米国では長期金利が1年3カ月ぶりの低水準に下落、10年債利回りが3カ月物を下回る逆イールド現象が発生した。これが先行きの景気リセッションを暗示するものとして、インテルやアプライドマテリアルズなど半導体関連セクターなどが大きく売られており、東京市場でもこれに追随する形で半導体素材メーカーや製造装置メーカーが下落する展開を余儀なくされている。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,035.5円 -40.5 円 (-3.8%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、JXTGホールディングス<5020>などに売りがかさむ展開。米国株急落の余波を受け、全体相場は波乱展開を余儀なくされている。米国ではWTI原油先物価格も世界景気の減速懸念から終値で1バレル=59ドル4セントと1ドル近い下げをみせており、シェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー関連が下落しNYダウの下げを助長した。東京市場でもこの流れが波及、原油価格と株価連動性の高い資源関連や石油元売り企業の株価を押し下げている。
■HEROZ <4382> 9,750円 -350 円 (-3.5%) 本日終値
HEROZ<4382>は反落。この日、SMBC日興証券と共同で人工知能(AI)を活用した投資情報サービス「AI株式ポートフォリオ診断」を開発したと発表したが、市場の反応は限定的のようだ。同サービスは、SMBC日興証券のダイレクトコースの顧客向けに3月29日から提供するサービス。現代ポートフォリオ理論に基づく効率的な複数銘柄での運用を、HEROZの持つ最新のAI技術を活用し、実用化するとしている。
■ホンダ <7267> 2,962.5円 -91.5 円 (-3.0%) 本日終値
ホンダ<7267>は続落。NYダウの下落や円高の進行が警戒されている。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は22日付で、同社の目標株価を4300円から3600円へ引き下げた。なお、レーティングはニュートラルを継続した。同社の株価は2018年に日産自動車<7201>やトヨタ自動車<7203>をアンダーパフォームした。同証券では、これは中国市場の減速が主因とみている。割安感から魅力は高まりつつあるが、同社に対して慎重な投資スタンスをとるとしている。中国新車販売の趨勢が目先も長期も不透明なことに加え、米国も主力車種のフルモデルチェンジの端境期にあり、他の組織の知識や技術も取り入れるオープンイノベーションを積極展開させているため将来重要となりそうな技術が自社の付加価値として残りにくいと懸念している。また、ファンダメンタルズの好転なくして、同社が積極化している自社株買いによる株価押し上げ効果も限定的とみている。注目のポイントは20年3月期後半、米国での台数成長および中国の新車販売としている。目標株価に関しては、過去6 期から算出されるPBRは0.83倍が妥当としているが、中国関連株としてディスカウントし、0.76倍から3600円を算出した。19年3月期の営業利益に関して、同証券では会社予想の7900億円に対して8150億円(前年比2%減)としている。
■三菱UFJ <8306> 553.4円 -16.8 円 (-3.0%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が3日続落、三井住友フィナンシャルグループ<8316>も続落となるなどメガバンクに売りが目立っている。前週末の米国株市場ではシティグループやJPモルガンなど大手金融株が軒並み大幅安に売られ、リスクオフ相場を助長した。米国では世界景気の減速に対する懸念から、長短金利の逆転現象が起こっており、これによる運用環境の悪化が嫌気された。米国事業を展開する日本のメガバンクもこの地合いを引き継ぐ展開となっている。
株探ニュース