<話題の焦点>=普及の陰で浮上する懸念 注目高まるQR決済セキュリティー関連企業

特集
2019年3月28日 12時20分

QRコード」を使ったスマートフォンによるキャッシュレス決済が急速に広がっている。LINE<3938>の「LINE Pay」や楽天<4755>の「楽天ペイ」などは既に多く利用されており、最近ではメルカリ<4385>の「メルペイ」、みずほフィナンシャルグループ<8411>の「J-Coin Pay」が登場。5月には日本郵政<6178>傘下のゆうちょ銀行が「ゆうちょPay」のサービスを開始する予定だ。

QRコードは、FeliCa(フェリカ)などNFC(近距離無線通信規格)を利用した決済と比較してICカードリーダーなど専用の設備を必要としないため店舗側の導入コストが低く、そのため政府が推進するキャッシュレス化のカギを握るとみられているが、 QRコードは技術的に改ざんすることが可能。例えば、支払先口座情報を別の口座情報に仕向けたり、支払金額が変更されたりといった不正が起こりうる。昨年末には一部のQR決済事業者でクレジットカード情報(カード番号、有効期限、セキュリティーコード)が不正利用される事案が発生しており、対策は待ったなしの状況といえる。

こうしたなか、ブロードバンドセキュリティ<4398>は2月21日から、情報セキュリティー面のリスク評価や対策を支援する「QR決済セキュリティ コンサルティングサービス」の提供を開始。このサービスは、QR決済ビジネススキームの可視化やセキュリティーリスクの評価、セキュリティー対策構築支援などで構成されている。

また、メディアシーク<4824>は2月25日から、セキュリティー対策を強化したQRコードリーダー「セキュアQRコードリーダー」の提供をスタート。世界最高レベルの読み取り性能を誇る累積2900万ダウンロードのスマートフォン向けバーコードリーダーアプリ「アイコニット」の画像解析技術を活用し、改ざんの可能性があるQRコードを99%検出することができるという。

このほか、野村総合研究所<4307>グループのNRIセキュアテクノロジーズは、リスク評価及びリスク対策の立案を支援する「QRコード決済セキュリティリスク評価サービス」を1月から提供。デンソー<6902>子会社のデンソーウェーブは、暗号キーにより、コード情報に公開・非公開を設定することで偽造や改ざんを防止する「SQRC」の技術を持っている。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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