来週の株式相場見通し=海外要因による先物主導の売り警戒、新元号発表にはプラス効果期待
来週(1~5日)の東京株式市場は、名実ともに新年度相場入りとなる。1日には政府が5月1日からの新元号を発表することから、国民全体に慶祝ムードが高まり“新元号関連銘柄”などを中心に個人投資家の買いが集まる可能性がある。
ただ、一方では米中貿易摩擦に伴う世界的な景気減速懸念が根強いことや、英国の欧州連合(EU)離脱の先行き不透明感、米国での長短金利が逆転する“逆イールド”の発生などを懸念して、海外投資家からの株価指数先物主導の売りが継続することも想定される。来週の日経平均株価の想定レンジは、2万800~2万1600円とする。
市場関係者からは「今回の改元は、天皇陛下のご意思による生前退位に伴う新天皇のご即位となることから、文字通りの“新たな時代の幕開け”として、従来にも増して国民全体に慶祝ムードが高まることが予想され、これが景気浮揚に貢献する可能性もある。“新元号関連銘柄”などが個人投資家の物色対象となりそうだ。その一方で、国内景気の失速が取りざたされるなか発表される日銀短観3月調査の内容が、想定を下回った場合は売り優勢となりそうだ」との見方が出ていた。
日程面では、政府が新元号を発表、「働き方改革法」が順次施行、「改正出入国管理法」が施行、日銀短観3月調査、3月の自動車販売台数(1日)、3月のマネタリーベース(2日)、「AI・人工知能EXPO」開催(3~5日)、2月の景気動向指数、2月の家計調査、2月の毎月勤労統計調査、日銀「生活意識に関する」(5日)に注目。
海外では、中国3月の財新製造業PMI、米2月の小売売上高、米3月のISM製造業景況指数、ユーロ圏2月の失業率(1日)、米2月の耐久財受注(2日)、米中閣僚級協議、米3月のADP雇用統計、米3月のISM非製造業景況指数(3日)、米3月の雇用統計(5日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)