富田隆弥の【CHART CLUB】 「リスクオフ懸念、様子見も一策」

市況
2019年3月30日 10時00分

◆マーケットは新年度に入ったが、日経平均株価のチャートは心許ない。年初から戻り歩調を続けてきたが3月4日2万1860円で頭打ち、200日移動平均線(28日現在2万1946円)に届くことなく、昨年10月高値2万4448円から12月安値1万8948円の下げに対する半値戻し(2万1698円)水準で足踏みとなり、そして先週は25日移動平均線(28日現在2万1436円)を割り込み、75日移動平均線(同2万0989円)を試すなど日足は調整入りの気配を漂わす。

◆カギ握るのは米国株だ。 NYダウ(27日終値2万5625ドル)は2月25日に高値2万6241ドルをつけてから足踏み、日足は高値圏でもみ合いを煮詰めつつある。当面はこのもみ合いからの放れの方向が焦点となる。ただ、週足は12月安値(2万1712ドル)から強いV字回復となり、昨年10月3日高値(2万6951ドル)から半年を迎える。つまり、期日向かいで「ダブル(W)トップ」を形成してもおかしくない状況だ。日足では下放れのポイントになるのが200日移動平均線(27日現在2万5185ドル)で注視される。NYダウは日本だけでなく世界マーケットの指針であるだけに、もし200日移動平均を割り込むなら「調整入り」や「世界同時株安」を覚悟することになる。

◆もう一つ、カギを握るのが為替だ。ドル円(28日110.50円)は年初から円安方向に歩みを進めたが、3月5日の112円近辺で頭打ち、その後111円台のもみ合いを経て110円台へ下放れの気配を漂わす。米国をはじめ世界各国で長期金利が低下していることを踏まえると、世界のマネーはいま「リスク回避」を強めていることは否定できず、それに伴う「円高」であれば年初につけた107円~105円水準を試す可能性は高く、そうなれば日本株には強い逆風となる。

◆「休むも相場」という格言がある。新年度入りとはいえ、チャートが心許ないここでは無理せず「様子見」も一策だろう。

(3月28日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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