話題株ピックアップ【夕刊】(1):第一三共、サーバワクス、JXTG
■第一三共 <4568> 5,521円 +421 円 (+8.3%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
第一三共<4568>は前週末のストップ高に続き、きょうも大幅高。同社が開発中の抗がん剤「トラスツズマブ デルクステカン」(DS-8201)に関して、英アストラゼネカ社とグローバル開発及び商業化契約を締結したと発表したことが、前週末のストップ高の背景だが、これを材料視する動きが続いている。市場では「会社側が言うようにアストラゼネカとの商業化契約はグローバルでみて非常にインパクトの大きい案件といえる。モルガン・スタンレーMUFG証券が3月29日付のリポートで同社株の投資判断を前回の『イコールウエイト』から『オーバーウエイト』へ引き上げ、目標株価も6100円に引き上げたことなども買い人気を後押しした。このほかUBS証券は目標株価を7000円に設定している」(準大手証券ストラテジスト)としている。
■山田コンサル <4792> 2,486円 +182 円 (+7.9%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
山田コンサルティンググループ<4792>は続伸。3月29日の取引終了後、19年3月期の連結業績予想について、売上高を150億円から132億円(前期比0.7%増)へ、営業利益を32億5000万円から23億3000万円(同20.1%減)へ、純利益を21億2000万円から15億4000万円(同16.8%減)へ下方修正したが、悪材料出尽くし感から買いが入った。下方修正は、経営コンサルティング事業で3月末までに売り上げ計上を見込んでいた数件の大型成功報酬案件が、期中に計上できない見込みとなったことが要因。特にM&Aなど資本に関するコンサルティング案件で、契約締結から案件成約までの期間が伸びる傾向となっており、今後もその傾向が続くものと見込んでいるとしている。
■サーバーワークス <4434> 19,300円 +1,250 円 (+6.9%) 本日終値
サーバーワークス <4434> [東証M]が4連騰。3月29日、19年2月期の経常利益(非連結)を従来予想の2億6500万円→3億3500万円に26.4%上方修正。増益率が7.0倍→8.8倍に拡大し、従来の2期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。アマゾンのクラウドコンピューティングサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」のソリューション販売や運用代行が好調に推移するなか、プロジェクト管理の強化や不採算案件の抑制、販管費の削減が進んだことが利益を押し上げた。
■トーエネック <1946> 3,250円 +210 円 (+6.9%) 本日終値
トーエネック <1946> が急伸。3月29日、19年3月期の連結経常利益を従来予想の76億円→100億円に31.6%上方修正。従来の14.8%減益予想から一転して12.1%増益見通しとなったことが買い材料視された。屋内線工事や空調管工事など一般得意先向けの受注が増加し、売上高が計画を上回ることが寄与。工事採算の改善なども利益を押し上げる。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の80円→105円に大幅増額修正したことも支援材料となった。
■三益半導体工業 <8155> 1,552円 +78 円 (+5.3%) 本日終値
三益半導体工業<8155>が大幅反発。3月29日の取引終了後に発表した第3四半期累計(18年6月~19年2月)単独決算が、売上高718億4000万円(前年同期比32.0%増)、営業利益45億2400万円(同24.2%増)、純利益31億900万円(同26.1%増)と大幅増益となったことが好感された。半導体事業で、主力の300ミリウエハーを中心に堅調な生産が継続したことが全体を牽引した。また、産商事業で自社開発製品およびその他取扱商品ともに売り上げを伸ばしたことも寄与した。なお、19年5月期通期業績予想は、売上高900億円(前期比21.3%増)、営業利益54億5000万円(同21.1%増)、純利益37億円(同20.5%増)を見込んでいる。
■JXTG <5020> 532.5円 +26 円 (+5.1%) 本日終値
JXTGホールディングス<5020>をはじめ石油関連株が上昇。前週末3月29日にWTI原油先物価格は終値ベースで84セント高の1バレル=60ドル14セントと18年11月9日以来、約5カ月ぶりに60ドル台を回復。これを背景に米国株市場ではシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー関連株が堅調だった。東京市場でもこの流れを引き継ぐ形となった。
■安川電機 <6506> 3,650円 +175 円 (+5.0%) 本日終値
安川電機<6506>が商いを伴い大幅続伸。中国国家統計局が3月31日に発表した3月製造業購買担当者景気指数(PMI)が、前月比で1.3ポイント上昇し50.5と昨年10月以来、5カ月ぶりに節目の50を上回った。3月のサブ指数では生産指数が52.7と6カ月ぶりの高水準となり、新規受注もさらに早いペースで拡大し51.6となった。雇用指数も47.6とわずかながら先月の47.5から上昇している。また、中国政府による景気対策として、4月からの増値税(付加価値税)減税と5月からの社会保険料を引き下げることも下支え材料となっている。中国の景気回復を期待させる経済指標が相次ぎ発表されていることから中国関連銘柄の同社株に買いが集まったようだ。
■プリマハム <2281> 2,137円 +83 円 (+4.0%) 本日終値
プリマハム<2281>が4日ぶりに反発。3月29日の取引終了後、19年3月期の連結業績予想について、営業利益を150億円から130億円(前期比1.0%減)へ、純利益を100億円から80億円(同23.2%減)へ下方修正したが、アク抜け感から買いが入った。販売数量の増加により売上高は4110億円から4140億円(同4.9%増)へ上方修正したものの、人件費や物流費の増加が利益を圧迫した。また、販売競争激化から加工食品事業の売り上げ増加分が利益増加に結びつかなかったほか、豚肉・鶏肉相場の低迷など市況悪化に伴う食肉事業の利益率の低下なども響いた。
■スマレジ <4431> 3,670円 +130 円 (+3.7%) 本日終値
スマレジ<4431>が続伸。岩井コスモ証券は29日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は4000円とした。同社は2月28日に東証マザーズに新規上場。高機能クラウド型POSレジで長年実績があり、クラウドのデータベースは米アマゾン・ドット・コム社が提供するAWS(アマゾンウェブサービス)を利用している。同証券では、軽減税率対策補助金を追い風に成長を見込んでいる。19年4月期の営業利益は前期比26%増の4億円(会社計画3億9500万円)、20年4月期は今期推定比19%増の4億7500万円を予想している。
■SUMCO <3436> 1,273円 +42 円 (+3.4%) 本日終値
SUMCO<3436>が反発したほか、信越化学工業<4063>は続伸、アドバンテスト<6857>は3連騰と上値追い態勢をみせるなど、半導体セクターに買いが流入した。前週末の米国株市場はNYダウやナスダック総合指数など主要指数が上昇、インテルやエヌビディアなど半導体関連も堅調でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶり反発となった。米中貿易摩擦問題が収束に向け進展しているとの思惑は、両国間の技術移転などを巡る問題の解決と、それに伴うハイテク戦争終結に向けた期待にもつながり、半導体関連銘柄にはポジティブな流れとなる。東京市場では半導体関連株の出遅れ感が顕著で広範囲に見直し買いを誘っている。
株探ニュース