【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 賢者の選択、キーワードは「参入障壁」

市況
2019年3月31日 9時30分

「賢者の選択、キーワードは『参入障壁』」

●報われるか積極派個人の中小型株投資

終わったばかりの3月相場は、日経平均の月足チャートが陰線に終わった。1月、2月と続いた陽線のタスキが途切れてしまったことになり、正直残念だ。

その一方で、意外な動きが見られる。 JASDAQマザーズ市場だ。これらは東証1部市場のように失速していないばかりか、戻り高値圏をキープしている。

そればかりではない。短期のトレンドを示す25日移動平均線は、東証1部市場が上昇から横ばいに転じつつあるのに対し、JASDAQ、マザーズともにいわゆる右肩上がりを続けている。

このような動きで分かるのは、東証一部のメインプレイヤーである外国人投資家や機関投資家たちが投資を手控えているのに対し、積極派の個人投資家が中小型株への投資に前向きになっていることだ。

それは、正しい選択なのか。いまのところはもちろん結論は出ていない。しかし、市場環境が芳しくない時の投資は、先行き極めて成功する確率が高いのが普通だ。

それに現在、大口投資家たちが投資に積極的になれない最大の理由となっている米中貿易協議は、いずれ合意に至る。中国にはトランプ政権が突きつけた貿易不均衡の是正策を受け入れるほかに選択肢はないからだ。

もちろん、受け入れ方には分野ごとに濃淡がある。マスコミはそれらの一つ一つについてあれこれと報じるため、市場はそれらにいちいち反応し、上下に揺れるのだが、行き着くところはどこなのか。

●米中貿易協議は決着へ、そのとき市場は?

こう考えると「協議は中国の譲歩により間もなく合意にこぎ着ける」になる。すでに中国は対米輸出の減少による経済の後退をなるべくマイルドなものにすべく景気対策を実行中だ。

そこへ米中協議合意となると、どうなるか。市場は有頂天とまでは言わないが、大歓迎することはまず間違いない。

いまはそれを想定して投資するのが賢者の策となるので、以下のような銘柄に注目だ。基本的な狙い方としては、大手が簡単に参入しにくい、いわゆる参入障壁の高いビジネスを展開している企業に注目だ。

具体的には、まずはウェルビー <6556> [東証M]がある。就労を希望している障害者への職業訓練や就職活動、職場定着支援に強い会社であり、株価は緩やかな浮上が見込める。

日中貿易の輸送業務に強く、通関業務も手がけるエーアイテイー <9381> も浅い押しを入れている現在水準は魅力的だ。

賃貸物件や商業施設向けにWiFiサービスを提供しているファイバーゲート <9450> [東証M]も、一見参入が多そうに見えるが、他に先行しており有利な立場にあるため、株価も続伸する確率が高い。

企業のIRとSRに強いアイ・アールジャパンホールディングス <6035> の事業も参入障壁が高い。IR事業のそれはさほど高くないが、SRは実質株主がどんな人物、企業かを調査するビジネスだけに、簡単に真似できないため、株は浅い押し目で投資しておく作戦がお勧めだ。

最後にマニー <7730> を。手術用糸、針、メス、それに歯科治療用機器を手掛ける。どの製品も簡単に製造できるものではないため、株も魅力的となる。

2019年3月29日 記

株探ニュース

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