財政出動による景気浮揚に期待 <東条麻衣子の株式注意情報>
4月1日の日経平均株価は新元号発表によるご祝儀もあってか大幅高となったが、今後の相場について展望するならば米中通商交渉に一喜一憂するボラティリティの高い相場展開となるのではないか。
世界から原料を集め各国への製品供給を担ってきた「世界の工場」は、19世紀のイギリスから20世紀に入り米国と日本、そして21世紀には中国へと移り変わってきた。
国際分業が進む中で、安価な労働力と高い技術水準を持った国に生産が移転していくことは自然な流れであり、今後は中国から他国へと世界の生産センターが移っていくこともまた自然な流れと言えるだろう。
経済を巡る米中の覇権争いは世界経済が新たなサプライチェーン確立へ向かう動きを加速し、現在がその過渡期にあることを鮮明にした。それが世界経済にもたらす混乱は必然ではあるものの、過去の事例同様に時間によって解決される問題でもあろう。
この再編の過渡期において足元のボラティリティが高まる中、筆者は日本経済の牽引役として財政出動による景気浮揚に期待している。
国土強靭化関係の予算が示すように、橋梁とトンネルなどの設備更新は日本にとって必須である。国策としての 国土強靭化に合致する企業、また2020年の東京オリンピックに向けて商用化が本格化する次世代通信規格「5G」関連などの国内インフラ関連、これらは今後も業績拡大が見込まれることから注目している。 (2019年4月1日 記)
◆東条麻衣子
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