話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンバイオ、オンワード、スギHD
■サンバイオ <4592> 3,340円 +502 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値
サンバイオ<4592>が後場急騰しストップ高に買われた。午後2時30分ごろ、外傷性脳損傷を対象疾患としてグローバルで開発を進めている再生細胞薬SB623が、厚生労働省から再生医療等製品として「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受けることになったと発表しており、これを好感した買いが入った。「先駆け審査指定制度」は、世界に先駆けて日本で開発され、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる革新的な医薬品について、優先審査をする制度。今回の指定により、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から薬事承認にかかる相談・審査の優先的な取り扱いを受けることが可能となるため、同社ではこの利点を生かして国内における承認申請を行うとしている。なおSB623は、一過性に遺伝子導入した成人骨髄由来の間葉系幹細胞を加工・培養して製造された再生細胞薬で、脳内の神経組織に投与されると自然な再生機能を誘発することで、失われた運動機能の改善を促すことが期待されている。現在、単独で慢性期外傷性脳損傷を対象とした日米グローバルのフェーズ2臨床試験を行っており、18年11月には「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成」という良好な結果を得ている。
■オンワード <8016> 637円 +34 円 (+5.6%) 本日終値
オンワードホールディングス <8016> が急伸。5日大引け後に発表した19年2月期の連結経常利益は前の期比12.9%減の51.6億円になったが、従来予想の41.5億円を上回って着地。続く20年2月期は前期比10.4%増の57億円に伸びる見通しとなったことが買い材料視された。前期は欧州における一部生産事業の契約内容変更や不採算店舗撤退費用の計上などで海外事業の赤字が拡大したことが響いた。今期はオンワード樫山を中心に基幹事業の収益率向上を図るほか、アジア事業の拡大に注力し、2期ぶりの増益転換を目指す。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の2.17%にあたる300万株(金額で21億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。
■スギホールディングス <7649> 5,080円 +235 円 (+4.9%) 本日終値
スギHD <7649> が高い。5日大引け後に発表した19年2月期の連結経常利益は前の期比5.2%増の272億円で着地。続く20年2月期も前期比6.5%増の290億円に伸び、5期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。ドラッグストア業界の競争激化や診療報酬改定に伴う薬価引き下げなど経営環境は厳しさを増すが、今期も前期(店舗純増85店舗)に続き、積極的な店舗展開を進め、6期連続の増収増益を目指す。併せて、今期の年間配当は前期比10円増の80円に増配する方針としたことも支援材料となった。
■ポールHD <3657> 1,085円 +36 円 (+3.4%) 本日終値
ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス<3657>が反発。1000円トビ台での売り物をこなし再浮上の兆しを見せている。ソフトの不具合を検査するデバッグ事業のほか、ネットサポート事業を展開。人工知能(AI)の開発支援事業にも注力姿勢を明示しており、AIデータの認識効果向上がネットサポート事業に寄与しているほか、RPA化も加速局面入り。チャトボット導入コンサルティングサービスなどに期待が大きい。20年1月期は、売上高が262億1700万円(前期比10.3%増)と2ケタ増収、最終利益も20億4500万円(同11.2%増)と2ケタ増益を見込む。また、前期配当は従来予想に1円増額したが、さらに今期も1円増配の年12円を計画するなど株主還元姿勢も高い。
■IIJ <3774> 2,246円 +74 円 (+3.4%) 本日終値
インターネットイニシアティブ<3774>が切り返しに転じている。主力のネット接続サービスが伸びるほか、格安スマートフォンの普及で法人向けMVNE(仮想移動体サービス提供者)ビジネスが好調で株価は底値買いの動きが観測される。8日の東京株式市場は主力輸出株が軟調、内需株もイオン<8267>が前週末に発表した19年2月期の決算発表で利益が従来計画を下回り売りを浴びるなど、小売関連株も軟調な展開を強いられている。そのなか、「企業のIT投資を取り込むシステム関連の中小型株に短期資金が向かっている」(国内ネット証券)という指摘があり、同社株もその流れに乗っている。
■Jティッシュ <7774> 992円 +32 円 (+3.3%) 本日終値
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>が続伸。同社はきょう、愛知県の蒲郡市民病院から培養表皮の製造を今月から受託すると発表した。蒲郡市民病院は、今年3月末から白斑や難治性皮膚潰瘍などに対する自家培養表皮移植(再生医療)の臨床研究を開始。Jティッシュは、この臨床研究に用いる培養表皮の製造を受託する。
■パルコ <8251> 1,141円 +33 円 (+3.0%) 本日終値
パルコ<8251>が後場上昇。午後0時30分ごろに発表した20年2月期の連結業績予想で、売上高1162億円(前期比29.2%増)、営業利益127億円(同2.3倍)、純利益71億円(同2.1倍)を見込むほか、PARCO50周年記念配当2円を実施し年間配当を26円(前期24円)にするとしたことが好感された。パルコ業態やゼロゲート業態などで4店舗の開業を予定しているほか、新生渋谷パルコの営業再開とともに劇場ほか複数の情報発信拠点開発を計画しているエンタテインメント事業が貢献する見通し。また、前期の店舗営業終了決定による店舗閉鎖損失計上の反動も増益に寄与する見込みだ。なお、19年2月期決算は、売上高899億6900万円(前の期比1.8%減)、営業利益54億2500万円(同53.7%減)、純利益33億7000万円(同56.8%減)だった。
■ジンズ <3046> 6,020円 +170 円 (+2.9%) 本日終値
ジンズ<3046>は5日ぶりに反発。前週末5日の取引終了後に発表した3月度の月次売上速報で、既存店売上高が前年同月比5.5%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。3月21日に発売した、1本で簡単にメガネにもサングラスにもなるアイウエア「JINS Switch(ジンズ・スイッチ)」が売り上げを牽引。また、「TRY!SCREEN」キャンペーンによるJINS SCREEN(ブルーライトカットメガネ)へのオプションレンズ交換が好評だったことも寄与した。なお、全店売上高は同7.7%増だった。
■セリア <2782> 3,770円 +65 円 (+1.8%) 本日終値
セリア<2782>が反発。前週末5日の取引終了後に発表した3月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比1.7%増と3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客単価が同0.1%増と小幅ながらプラスとなったことに加えて、客数が同1.6%増と伸長したことが寄与した。なお、全店売上高は同9.5%増だった。
■パーク24 <4666> 2,373円 +39 円 (+1.7%) 本日終値
パーク24<4666>が続伸。子会社のタイムズ24は5日、中日本高速道路(名古屋市、NEXCO中日本)が12日から実施する物流事業者向け駐車場予約システムの社会実験にシステムを提供すると発表した。この実験は、12日にオープンする東名高速道路の豊橋パーキングエリアの下り側で、休憩施設における大型車の駐車容量確保の一環として、インターネットによる事前予約で駐車マスを確実に確保できるようにするもの。タイムズ24は独自のASPサービスを活用したトラック専用の予約システムの提供と運営支援を行うとしている。
株探ニュース