国内株式市場見通し:日経平均は22000円台を固める動きへ

市況
2019年4月20日 14時52分

■日経平均は約4カ月ぶり22000円台回復

前週の日経平均は上昇して昨年12月4日以来となる22000円台を回復した。週間ベースでは3週連続高となった。12日の米国市場で動画配信サービスを発表したウォルト・ディズニーなどが買われNYダウが269ドル高となった流れを受け、15日の日経平均は寄り付きで節目となる22000円台を回復した。TOPIX(東証株価指数)も6営業日ぶりに大幅反発し、3月4日の年初来高値1627.59pt(終値ベース)を更新した。週明け15日のNYダウは利益確定売りが先行して反落したものの、16日の日経平均は小幅上昇した。15日から始まった日米貿易交渉などが手控え要因として働きこう着感の強い相場展開となったが、NTTドコモ<9437>が携帯電話の通信料金引き下げを発表したことで、アク抜け感が広がり通信大手が揃って買われたことが日経平均上昇に寄与した。NYダウの反発を受けた17日の日経平均は今年最長の5日続伸となった。日米貿易交渉の初会合が厳しい内容とならなかったことが安心感に繋がったほか、中国の主要経済指標が発表され、景気減速への懸念が和らいだことで買いが先行し、日経平均は3日連続で年初来高値を更新した。18日の日経平均は6日営業ぶりに反落した。米半導体SOX指数の過去最高値更新が続くなかで朝方は買いが先行する場面があったものの、NYダウが反落したことに加えて、前日までの上昇もあって利益確定売りが優勢となった。3月小売売上高が予想を上振れ、週間新規失業保険申請件数も予想より減少したことを好感した18日のNYダウは110ドル高と急反発し、終値としては昨年10月4日以来の高値となった。この流れを受けた19日の日経平均も反発した。この日で11連騰となったファーストリテイリング<9983>が指数上昇を牽引し、ハイテク株も堅調に推移した。ただ日経平均は、連騰中の週末とあって買い一巡後は伸び悩んだ。個別では、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を流通させることを、中国の広東省当局が認可したことが材料視された任天堂<7974>が、昨年10月18日以来の一時40000円台に急騰し、関連銘柄にも買いのすそ野が広がった。

■GW控え上値重いか

今週の日経平均は、日経平均で22000円台を固める展開が予想される。来週の相場展開のポイントは「10連休のゴールデンウイーク(GW)控え」と「企業決算発表」の2点にある。史上初めてのGW10連休を控えて期間リスクを嫌気したポジションを落とす動き(換金売り)がどの程度出てくるかは未知数だ。ただし、4月第2週(8日~12日)の主体別株式売買動向(2市場、金額ベース)で海外投資家は金額こそダウンしたものの2週連続での買い越しをみせており、海外勢に投資スタンスの変調は見られていない。このほか、かんぽ生命<7181>の売出し株式受渡日である23日を迎え、需給面でも一つの変化点を迎える。かんぽ生命は1株2375円の売出価格を下回る株価推移となっているものの、動きを縛られていた資金が動きやすくなる。また、新興市場でも8日以来となるIPO(新規上場)が24日から25日にかけて3銘柄登場し、物色意欲を刺激してくる可能性がある。一方、日経平均は18日の下げで一時、5日移動平均線を割り込み調整ムードを漂わせたが、19日には切り返して上昇トレンドを維持した。節目の22000円や21800円近辺を走る200日移動平均線にも距離を保った状態で、現状はまだ上昇途上の判断ができる。ただ、22400円近辺は昨年5月から約5カ月間もみあったボックス相場の中心であり、戻り売りの圧力も強いゾーンに当たる。上に抜け切るには相応のエネルギーが必要となりそうで、上値の重さは再び意識されることになりそうだ。

■業績相場に移行

こうしたなか、物色的には業績相場への移行が始まる。主な日本企業の決算発表は、23日の日本電産<6594>、東京製鐵<5423>を皮切りに、24日はファナック<6954>、キヤノン<7751>、25日に任天堂<7974>、26日にソニー<6758>、村田製作所<6981>とハイテク系を中心に相次ぐ。日経平均への寄与度が高い半導体関連の決算に関心が高まってくることが予想されるが、信越化学<4063>、東京エレクトロン<8035>の決算発表は26日で、その反応はGW明けとなる。並行して米国でも決算発表が佳境を迎え、23日にテキサス・インスツルメンツ、24日にボーイング、キャタピラー、マイクロソフト、フェイスブック、テスラ、25日にインテル、アマゾンが決算発表を予定している。こちらは、「737MAX」型機のトラブルを抱えるボーイング、中国契機を占うキャタピラーの決算に関心が向いてこよう。

■金融政策決定会合、日銀総裁会見、米1-3月期GDP

今週の主な国内経済関連スケジュールは、23日に4月権利付最終売買日、3月企業向けサービス価格指数、24日に日銀金融政策決定会合(25日まで)、25日に黒田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)、26日に3月失業率・有効求人倍率、3月鉱工業生産速報、TOPIX調整係数適用銘柄の見直し、清田日本取引所グループ最高経営責任者会見がそれぞれ予定されている。なお、前述の通り、来週の国内株式市場はGW10連休に伴い休場となる。

《FA》

提供:フィスコ

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