NYの視点:今週の注目:米Q1GDP、BOJ、日米首脳会談
投資家や投機家の持ち高を示すIMMの週次統計で、ネット円売り持ち高は1月初旬来の高水準に達した、市場のポジションが円売り持ちに傾斜したことで、円の下げ余地が狭まる。
今週は日銀やカナダ中銀の金融政策決定会合が開催される。また、米国では1-3月期国内総生産(GDP)速報値に注目が集まる。また、日米首脳会談が開催される予定で、貿易や北朝鮮が議題になる。麻生財務相もムニューシン財務長官と会談を予定しており、通貨操作に関する協議をする模様で、円は売りづらい環境となる。
日銀は今回の会合で金融政策を据え置く見込み。また、半数のエコノミストは次の日銀の動きは追加利下げだと見ていることが調査で明らかになっている。
米国の1-3月期国内総生産(GDP)速報値は、小売りなどの回復で前期比年率+2.2%が予想されている。金融危機以降、1-3月期のGDPが年を通じて最も低調な成長にとどまる傾向にあることから、本年も年後半にかけて成長が加速し3%近くの成長が可能との楽観的見方もある。一方で、JPモルガンは、1-3月期GDPで2.5%-3%成長も可能だが米国の住宅市場の伸びも冴えなく、年後半にかけて景気が減速し景気後退には陥らないものの、最終的に2019年の成長は2%前後に収束すると悲観的見通しを示しており見方は分かれる。米金利先物市場でも年内の利上げを50%織り込んでおりドルももみ合いが継続する可能性がある。
米商務省が発表した3月の住宅着工件数は2017年5月以降、ほぼ2年ぶり低水準に落ち込んだ。住宅ローン金利の低下にもかかわらず、労働賃金や材料費の上昇が響いたと指摘されている。住宅着工件数の先行指標となる住宅着工許可件数も昨年10月来の低水準にとどまり、着工件数が当面低迷する可能性が示唆された。米3月中古住宅販売件数もは前月比-4.9%の521万戸と、予想530万戸を下回った。
4月30日、5月1日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、米連邦準備制度理事会(FRB)はブラックアウト期間入りするためFRB高官の講演は予定されていない。
■今週の主な注目イベント
●米国
23日:クドローNEC委員長、ワシントン昼食会に参加、
最近の市場変動に関して討論、
3月新規住宅販売:予想:65万件(2月66.7万件)
25日:3月耐久財受注:予想前月比+0.8%(2月?1.6%)
26日:1-3月期国内総生産(GDP)
速報:予想前期比年率+2.2%(10-12月期2.2%)
個人消費:予想+1.0%(+2.5%)、
日米首脳会談
●日本
25日:日銀金融政策決定会合、黒田総裁会見
麻生財務相、訪米、ムニューシン財務長官と会談
●24日:カナダ中銀金融政策決定会合:予想:政策金利据え置き、
ポロス総裁会見
●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
《CS》
提供:フィスコ