明日の株式相場見通し=米中摩擦を横目に再び波乱含みも買い場探しの局面
あす(14日)の東京株式市場は目先売り飽き気分はあるものの、米国株市場の動向次第で一段と下げ基調を強める可能性もあり注意が必要だ。トランプ米政権が中国に対する制裁関税を全輸入製品に適用させる構えをみせるなか、日本時間14日未明にもその詳細案を発表するとみられており、この結果が投資家心理に大きな影響を与えそうだ。
13日のマーケットは朝方の売り一巡後は前引けにかけて押し目買いに下げ渋る展開をみせ、後場はプラス転換もあり得るというムードが漂ったが、そうはならなかった。午後2時に発表された3月の景気動向指数(速報値)に絡み、内閣府が基調判断を6年2カ月ぶりとなる「悪化」に下方修正したことがマーケットの買い気を削ぐ格好となり、戻り足を封じる展開となった。外部環境から相応に織り込みは進んでいたはずだが、米中摩擦問題で足もとがふらついている東京市場にとっては、このタイミングでの下方修正は結構重いボディーブローとなった。米株価指数先物が売り込まれている状況を横目に、買い見送りもやむを得なかったといえる。
あすは4月の景気ウォッチャー調査が発表され、あさって(15日)は国内で4月の工作機械受注発表、海外では中国や米国で重要な経済指標発表が相次ぐ。自然と投資マネーも“防御の姿勢”をとらざるを得ない事情があり、芳しくない内容であれば、メディア全般は売り方に有利なトーンで報道する公算が大きいだけに、目先風向きの悪さは素直に認識しておく必要がある。
ただし、株は安値で拾うことこそが勝利の極意でもある。今後、政策催促相場の色彩が強まることを考慮したうえで、今週の下値模索場面は仕込み場を提供しているとの判断のもと、ブレることなく内容の良い個別株を吟味して投資するスタンスを取りたい。
日程面では、あすは4月の景気ウォッチャー調査が発表されるほか、寄り前に3月の国際収支が開示される。海外では日本時間午後9時30分に米4月の輸出入物価が発表される。(中村潤一)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)