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すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 御発注さんの場合-第2回

特集
2019年5月30日 11時40分

>> 御発注さんの1回目から読む

息の長さとオンリーワンを重視したお宝を掴む

登場する銘柄

相模ゴム工業<5194>、アイ・アールジャパンホールディングス<6035>

筆者:福島 由恵

金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。

御発注御発注さん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:
サラリーマン投資家で、必死の節約で貯めた約100万円を元手に2002年から投資開始。投資スタイルは銘柄数を絞ったバリュー株狙い。もはや趣味と化している筋金入りの節約生活と銘柄選びの段取りがユニークなのが特徴。誤発注事件で大損した経験を糧に、投資スキルをさらにパワーアップさせ、現在の金融資産は約3億円。

家賃さえも無駄な支出と考えるほど徹底した倹約生活と、割安銘柄狙いで約100万円の元手から3億円を超えるまで、資産を膨らましてきた御発注さん(ハンドルネーム)。

第1回目の記事では、割安な勝負銘柄リストを、相場が軟調になりやすい毎年10月頃に作成し、相場の過熱感をチェックしながら売買する投資スタイルの基本形を紹介した。時間も節約の対象と、短時間でリターンの最大化を狙う時短投資が御発注流。投資に時間を割きにくいサラリーマンには参考になる手法だ。

2回目の記事では、御発注さんの運用資産を大きく膨らますのに貢献した銘柄の中から比較的最近、ポートフォリオに加えた2つの銘柄と、時短投資の一環で行っている自称「ストーキング大株主作戦」について触れていく。

■御発注さんの資産拡大の足取り

御発注さんの資産拡大の足取り

御発注さんの資産拡大の足取りを見ると、2012年頃から資産の拡大スピードが上がった。12年後半からにアベノミクス相場の追い風が吹いたことも大きいが、筋金入りの倹約術で投資元本を約3800万円に積み増してきたことと、割安銘柄を発掘して集中投資する戦略が奏功した結果だ。

では最近の資産拡大に貢献した2つの銘柄について紹介していこう。その1つ目はコンドーム製造大手の相模ゴム工業<5194>(以下、相模ゴム)だ。足元の株価は保有時点より3倍近い水準に切り上がっている。

■相模ゴム工業<5194>の月足チャート

相模ゴム工業の月足チャート

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

インバウンド関連の「隠れ割安銘柄」を発掘

第1回目のおさらいになるが、御発注さんが銘柄選択の際に重視するのは、

「バリュー」

「グロース」

「カタリスト(株価を上げる材料)があるか」

「高配当・魅力的な優待」

「テーマ・時流に乗っている」

――の5つ。

この中で、相模ゴムについては「カタリスト」と「テーマ・時流に乗っている」ことで注目。さらに御発注さんが描いたシナリオ通りにいけばグロースの要素が加わり、それによってバリューの魅力も生じると判断した。将来に目を向けると上記の重視する5項目のうちの4つを満たす銘柄だと捉え、勝負銘柄のポートフォリオに加えた。

最初に購入したのは2015年の7月。当時のPER(株価収益率)は約15倍と、表面的には必ずしも割安水準といえる価格ではなかった。

だが重視する4項目をカバーし得ることを考えると、自身の計算では数年後のEPS(一株当たり純利益)が切り上がり、PERは10倍以下という試算になった。見た目では分かりにくい「隠れた割安銘柄」になった。

カタリストとテーマで注目したのは、話題性があるインバウンド(訪日外国人)との関連性だ。当時は円安が進み、訪日外国人の数が増えていた。この時、同じインバウント関連でも、「より長期にわたって需要が発生するものは何か」を考えて、銘柄を探していた中で、同社株は有望だと読んだ。

当時は魔法瓶や家電関連の銘柄が注目されていたが、「普及が進み需要が一巡すれば、成長鈍化を嫌気して買いの勢いはそがれる」と考えた。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 同じインバウンド関連でも良しあしがある?

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