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2018年10月9日 13時30分
特集

すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 いってんがいさんの場合-1

500万円を7年で30倍に、大胆なようで実は手堅い「一点買い」の威力

登場する銘柄:キャピタル・アセット・プランニング <3965> [東証2]、日本タングステン <6998> [東証2]

筆者:福島 由恵

金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。

いってんがいいってんがいさん(50代・男性)

元公務員で現在は専業投資家。自宅の住宅ローン完済、子育てが一段落したタイミングで2011年に株式投資を本格的に開始。『会社四季報』、決算短信などの業績予想欄から割安成長株を探す投資手法でアベノミクス相場に乗り、2012年、14年には前年比2倍以上の好成績を達成。約7年で500万円を1.5億円に拡大させた。「いってんがい」は「資金を増やすにはある程度の集中投資が必要」という自身の投資スタンスを徹底するため命名した。

今回登場するすご腕投資家さんは、今年4月に公務員を辞めて専業投資家に転身したばかりの「いってんがい」さん(ハンドルネーム)。本格的に日本株の投資を始めたのは2011年からで、500万円の元手を7年ほどで30倍の1億5000万円にまで拡大させた腕を持つ億トレさんだ。

あまり時間を掛けずに大きく資産を増やす起爆となったのは、ハンドルネームにも由来するように「有望銘柄1点に絞って買いを入れる」という集中投資法だ。1銘柄当たりの投入資金は現時点では2000万円程度を目安とし、今後、大きな成長が見込める新興市場銘柄を主な対象として、割安なうちに仕込んで株価が適正価格まで評価される過程を狙う。

イラスト

「一銘柄集中」と聞くと、高リスクの投資と考えるのが一般的だろう。「一つのかごに卵を入れるな」という格言があるように、投資は資産分散でリスクを抑えるのが王道だ。当然、いってんがいさんは集中投資のリスクをわきまえた上で、銘柄を選んできた。だからこそ、短期間で莫大な値上げ利益を上げることができた。では、その方法とは。

目星をつける五つのキーワード

答えはいたってシンプル。「これから業績の高成長が期待できそうな割安株を見つける」というものだ。もちろんこれは「超特急」投資術の土台に当たる部分。いってんがいさんの真骨頂は、投資に費やす時間とリスクを抑えながら、効率よくリターンを上げる手法を確立したことだ。

投資を始めてから最近までは、いわゆるサラリーマン投資家だったので銘柄選びなどに費やせる時間は限られていた。あまり多くの時間を掛けずに値上がり期待の銘柄を探し出してきたキーワードが以下の五つだ。

(1)上場から5年以内、(2)PER(株価収益率)が20倍以下、(3)時価総額が小さい、(4)連続業績成長見通し、(5)利益剰余金が有利子負債より大きい――だ。いってみれば財務内容が悪くなく、割安放置のIPO(新規株式公開)銘柄を狙っている。

IPO銘柄投資というと、上場直後に売り抜ける初値狙いや、割高でも高成長期待で上値を狙う戦略が思い浮かぶ。だが、いってんがいさんの場合は上場直後の熱気が冷めた後に、その銘柄の持つ成長力を吟味して本来の価値に再評価されるのを待つファンダメンタルズ重視の手法だ。

ファンダメンタルズ分析といっても特別に難しいことはしていない。まずは普段から「若い」「安い」「小さい」銘柄を、時間があるときに見つけては投資候補をリストアップしておく。上のキーワードの(1)~(3)に当たる部分だ。

これらの銘柄が今後、業績が伸びそうなのかをチェックするのは『会社四季報』や決算短信を使う。短信で会社の業績見通しを確認しつつ、四季報で今期や来期さらに可能な場合は来々期まで続けて増収増益が予想されている銘柄を選ぶ。その逆に四季報で高成長銘柄を見つけて、直近の短信で確認することもある。利益は純利益の伸びをチェックする。これらは公務員時代から続けている作業だ。

こうした目に見える数字で選ぶことに加えて、自分なりの成長ストーリーも描いている。例えば連続2桁成長が続くなど高成長の予想がされている銘柄は、フィンテック(金融と情報技術を結びつけた革新的サービス)や東京五輪などテーマに沿ったものかを想定する。またいくら業績が良くても注目されないと株価は動意づかないので、「東証1部昇格」といったカタリスト(株価を動かすきっかけ)があるものかも意識しつつ選別していく。

銘柄選びというと、買おうとする銘柄の目星をつけることに意識が集中しがち。だが、これはまだ序の口にすぎない。本番は、目星をつけた銘柄がどれくらいまで上昇する余地があるのか目標株価を設定することだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ「攻めと守りの“目標株価を売り時の判断に活かす”」

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