来週の株式相場見通し=2万円ラインの攻防も、個別株重視の展開に
来週の株式市場は、重要イベントが重なるなか、状況次第で2万円ラインの攻防となる可能性がある。
今週は週末の31日にトランプ米大統領がメキシコへ追加関税を課すことを表明。米中貿易摩擦が激化するなか、通商問題がメキシコへと飛び火したことが嫌気され、為替は急激な円高が進行し、日経平均株価は一時2万581円と2月8日以来の安値に下落した。
リスクオフ姿勢が強まるなか、市場関係者からは「米国の長期金利が急激に低下しており、米債市場がどこで落ち着くかが焦点だ」(ストラテジスト)との声も出ている。
来週は米国で重要経済指標の発表が相次ぐ。6月3日に公表される5月ISM製造業景況感指数への関心は高いほか、5日に5月ADP雇用統計と5月ISM非製造業景況感指数、そして7日には注目の米5月雇用統計が発表される。更に、4日から5日にかけてはシカゴで米連邦準備制度理事会(FRB)が「金融政策の見直しに向けての会議」を開催する。同会議での発言に市場関係者の関心が集まっている。
こうしたなか、米経済指標などの結果次第で日経平均株価は1月7日以来の2万円割れとなる可能性もある。ただ、騰落レシオは70%台と底値圏に近づいているほか、「東証マザーズ指数などは底堅い」(中堅証券)との声も出ている。来週は直近IPO銘柄などの個別株重視の展開が強まりそうだ。(岡里英幸)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)