来週の株式相場見通し=貿易摩擦と円高を警戒、もちあい弱含みで上値重い
来週(10~14日)の東京株式市場は、米国の対中国やメキシコに対する貿易摩擦への警戒感や、外国為替市場での円高リスクが継続することから、もちあい弱含みで上値の重い展開となりそうだ。来週の日経平均株価の想定レンジは2万400~2万1300円とする。
市場関係者からは「当面は、10日に予定される米国のメキシコへの追加関税発動を巡る動きに関心が集まる。6日の米株式市場は、“米政権が対メキシコ関税の導入先送りを検討している”との報道で買い進まれたが、予断を許さない状態が続いている。更に、外国為替市場での円相場は、主力輸出企業にとって“損益分岐点”ともいえる1ドル=108円台での攻防となっているだけに、これ以上円高が進行すると業績悪化懸念が深刻化する」との見方が出ていた。
また、来週は中国で重要な経済指標が相次いで発表されるため、予想を下回った場合は、日本株にもマイナス影響をもたらすことになる。更に、8~9日に福岡市で開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会合で、為替や金融政策について何らかの声明が出た場合には、来週初の株式市場や外国為替市場に影響を与える可能性がある。
日程面では、1~3月期のGDP改定値、5月の景気ウォッチャー調査(10日)、5月のマネーストック、5月の工作機械受注(11日)、5月の国内企業物価指数、4月の機械受注(12日)、4~6月期の法人企業景気予測調査、4月の第3次産業活動指数(13日)、メジャーSQ(特別清算値)算出(14日)に注目。
海外では、中国5月の貿易収支(10日)、米5月の生産者物価指数(11日)、安倍首相がイラン訪問(12~14日)、中国5月の消費者物価・生産者物価、米5月の消費者物価、米5月の財政支出(12日)、英保守党党首選の下院議員による第1回投票、米5月の輸出入物価(13日)、中国5月の鉱工業生産・小売売上高・都市部固定資産投資、米5月の小売売上高・鉱工業生産・設備稼働率(14日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)