7日の米国市場ダイジェスト:上昇、雇用統計受け利下げ期待が強まる
■NY株式:上昇、雇用統計受け利下げ期待が強まる
米国株式相場は上昇。ダウ平均は263.28ドル高の25983.94、ナスダックは126.55ポイント高の7742.10で取引を終了した。5月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比7.5万人増と予想を大きく下振れ、平均時給の伸びも鈍化した。金融当局による利下げ期待が強まり、買いが先行。原油相場の上昇が好感されたほか、ハイテク株を中心に買いが広がり、終日大幅上昇となった。セクター別では、ソフトウェア・サービスやテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で銀行や公益事業が下落した。
書店のバーンズ・アンド・ノーブル(BKS)は、ポール・シンガー氏率いるエリオット・マネジメントと約4.8億ドルで売却合意し、大幅上昇。ビデオ会議サービスのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は、上場後初となる四半期決算が予想を上振れ、急騰。ITサービスのIBM(IBM)は、今週に約2000人の人員削減を行うことが報じられ、堅調推移。運輸・宅配のフェデックス(FDX)は、ネット小売のアマゾン(AMZN)との米国内即日配送について契約を更新しない方針を発表し、買われた。
週明けの株式市場は、10日に予定されるメキシコへの関税引き上げが延期されるかどうかに注目が集まりそうだ。メキシコとの移民政策を巡る交渉継続の為、関税引き上げ延期を検討していることが報じられているが、交渉が頓挫すれば同国に工場を持つフォード(F)やゼネラル・モーターズ(GM)の株価への影響は避けられないだろう。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル108.19円、米5月雇用統計で早期利下げ観測
7日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円51銭から107円88銭まで下落し108円19銭に戻して引けた。米5月雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想外に10万人を割り込んだほか、賃金の伸びが予想を下回ったため早期の利下げ観測を受けたドル売りが優勢となった。その後、トランプ大統領の発言を受けて米国による対メキシコ関税が回避されるとの期待感を受けた株高に連れてリスク選好の円売りが再燃し下値を支えた。
ユーロ・ドルは、1.1270ドルから1.1348ドルまで上昇し、1.1334ドルで引けた。ユーロ・円は、122円13銭から122円72銭まで上昇。
ポンド・ドルは、1.2707ドルから1.2763ドルまで上昇した。
ドル・スイスは、0.9932フランから0.9859フランまで下落した。
■NY原油:続伸、米国による対メキシコ関税回避への期待
7日のNY原油先物7月限は続伸(NYMEX原油7月限終値:53.99 ↑1.40)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比+1.40ドルの53.99ドルで通常取引を終えた。米国による対メキシコ関税が回避されるとの期待から需要鈍化懸念を受けた売りがさらに後退。また、ファリハ・サウジアラビア・エネルギー産業鉱物資源相が石油輸出機構(OPEC)の減産延長を示唆したため供給ひっ迫懸念も買い材料となった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 27.53ドル -0.35ドル(-1.26%)
モルガン・スタンレー(MS) 42.70ドル -0.11ドル(-0.26%)
ゴールドマン・サックス(GS)189.81ドル 0.00ドル(0.00%)
インテル(INTC) 46.03ドル +0.93ドル(+2.06%)
アップル(AAPL) 190.15ドル +4.93ドル(+2.66%)
アルファベット(GOOG) 1066.04ドル +21.70ドル(+2.08%)
フェイスブック(FB) 173.35ドル +5.02ドル(+2.98%)
キャタピラー(CAT) 124.46ドル +1.07ドル(+0.87%)
アルコア(AA) 21.44ドル -0.13ドル(-0.60%)
ウォルマート(WMT) 106.06ドル +0.95ドル(+0.90%)
スプリント(S) 7.10ドル +0.12ドル(+1.72%)
《SF》
提供:フィスコ