【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 相場は「暗」から「陽」へ!3つの投資ポイントで勝負

市況
2019年6月9日 9時30分

「相場は『暗』から『陽』へ!3つの投資ポイントで勝負」

●流れを変えたFRB議長発言

「パウエルFRB議長よ、ありがとう」――こう幾度もお礼を言っても、言い足りないくらいだ。

6月4日の同議長発言をきっかけに市場の流れは「暗」から急激に「陽」に変わった。議長はなんと言ったか。米中貿易戦争による経済の減速を懸念、「景気拡大を持続させるため適切に行動する」と述べたのだ。シカゴで開催された講演会での発言だった。

投資する立場から非常に歓迎できるのは、米国の金融政策が分かりやすいことだ。刻々と変化する状況に合わせて、適時、連銀総裁などが所見を表明する。FRB議長もそれを行っていて、予測、そして今後の方針まである程度表明する。

日本の場合、あらかじめ決められた日銀総裁の記者会見までそれが分かることはまずないが、FRBはこの点、非常に弾力的だ。現在はその恩恵を受けている状態、こう言ってよい。

なにしろ米国の長期債(10年債)利回りは2.12%台だ。昨年11月には3.2%台に乗せていたことを考えると、1%前後も下げていることになり、信じられないほどの下落ぶりと言える。ここまで下げると今後はさらなる下げより反発を想定した方が良さそうだが、そうなったとしても急激且つ大幅なそれはないと見るのが自然だ。

ただ、米国債の利回り低下には副作用も伴う。円が下がりにくくなるからだ。

トランプ米政権の為替政策は、明らかにドル安政策だ。中国が米国による追加関税の影響を抑制しようとして 人民元安をとるとみられることを考えると、ドルは安くなくてはならない。トランプ米大統領はこれまでことあるごとにFRBに「金利を下げるべきだ」と強く求めてきたが、それはもちろん人民元安を懸念してのこと。

いまのところそれが実行されつつあるので同大統領も満足、中国に対して目先強い要求もないと見てよい。

●環境改善で投資戦略にも幅

お陰で投資はしやすくなっているので、ここは、

(1)新値更新銘柄のチョイ下げ狙い

(2)回復途上銘柄のリバウンド狙い

(3)最悪局面からの戻り狙い

以上の3分類をベースに、該当銘柄を探す。これが現在のお勧めの策になる。

そこで、具体的にはどんな銘柄が該当するか。まず(1)では、自動車用アンテナ大手のヨコオ <6800> だ。生産拠点をいち早く中国からベトナムに移した点を評価したい。また、ネットセキュリティーの中でもターゲット標的型攻撃に強いFFRI <3692> [東証M]、掃除用具レンタル首位のダスキン <4665> がある。

(2)では、これから台風の季節を迎えることを考えるとウェザーニューズ <4825> だ。ミールキットの販売好調が続いているオイシックス・ラ・大地 <3182> [東証M]も魅力的だ。

(3)では、米国での大規模LNGプラント案件で巨額損失を出し経営危機に陥ったものの、三菱商事 <8058> の救済により経営破綻を免れた千代田化工建設 <6366> だ。同じく、回復にはなお時間を要しそうだが、株価が底値にあるという点ではスルガ銀行 <8358> への投資も成功する確率が高いと見る。ただし、お断りしておきたいが、満足できるほど儲かるには時間がかかる。この点、我慢できる人向きになる。

2019年6月7日 記

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