10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ78ドル高、投資家心理が改善
■NY株式:NYダウ78ドル高、投資家心理が改善
米国株式相場は上昇。ダウ平均は78.74ドル高の26062.68、ナスダックは81.07ポイント高の7823.17で取引を終了した。トランプ政権がメキシコからの輸入品に対する関税引き上げの延期を発表し、アジア・欧州株が全面高となった流れを受け、米国株も買いが先行。NYでヘリコプター衝突事故が発生し、一時下落する場面も見られたが、終日堅調推移となった。セクター別では、半導体・半導体製造装置や小売が上昇する一方で電気通信サービスや公益事業が下落した。
メキシコへの関税引き上げが延期され、同国に工場を持つ自動車大手のフォード(F)やゼネラル・モーターズ(GM)が堅調推移。ソフトウェアのタブロー・ソフトウェア(DATA)は、クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)による153億ドルでの買収に合意し30%を超す急騰。電気自動車のテスラ(TSLA)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け上昇。一方で、機会関連複合企業のユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)は、防衛企業のレイセオン(RTN)との統合を発表したものの、トランプ大統領が懸念を示し下落した。
シティグループは、トランプ政権による中国製品への更なる関税引き上げに加えて、自動車への関税賦課で欧州や日本との対立も深まり、S&P500が弱気相場入りするとの見方を示した。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:米中貿易合意への期待でドル・円強含み
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円67銭から108円32銭まで下落し、108円44銭で引けた。不法移民を巡り合意に達したため、米国のトランプ政権が対メキシコ関税発動を見送ったことや、トランプ大統領が中国との貿易合意の可能性に言及したためリスク選好の円売り・ドル買いが優勢となった。その後、米4月JOLT求人件数が予想を下回ったほか、マンハッタンでのヘリコプター墜落事故を受けテロなどの警戒感が浮上し、リスク選好の動きはやや後退した。
ユーロ・ドルは、1.1291ドルまで下落後、1.1325ドルまで反発し、1.1312ドルで引けた。ユーロ・円は、122円63銭から122円85銭のレンジで上下に振れた。ポンド・ドルは、1.2653ドルから1.2705ドルまで反発。タカ派で知られるイングランド銀行(英中銀)金融政策委員会のソーンダーズ委員が利上げの必要性を主張したため、ポンド買いが強まった。ドル・スイスは、0.9920フランまで上昇後、0.9885フランまで下落した。
■NY原油:反落で53.26ドル、利食い売りが上値を抑える
NY原油先物7月限は反落(NYMEX原油7月限終値:53.26 ↓0.73)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比-0.73ドルの53.26ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは53.05ドル-54.84ドル。主要産油国による減産体制は維持されるとの見方はあるものの、世界経済の減速によって原油需要は大幅に減少するとの懸念は消えていないことから、短期筋などの利食い売りが観測された。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.07ドル +0.54ドル(+1.96%)
モルガン・スタンレー(MS) 43.29ドル +0.59ドル(+1.38%)
ゴールドマン・サックス(GS)194.12ドル +4.31ドル(+2.27%)
インテル(INTC) 46.80ドル +0.77ドル(+1.67%)
アップル(AAPL) 192.58ドル +2.43ドル(+1.28%)
アルファベット(GOOG) 1080.38ドル +14.34ドル(+1.35%)
フェイスブック(FB) 174.82ドル +1.47ドル(+0.85%)
キャタピラー(CAT) 125.74ドル +1.28ドル(+1.03%)
アルコア(AA) 21.58ドル +0.14ドル(+0.65%)
ウォルマート(WMT) 107.52ドル +1.46ドル(+1.38%)
スプリント(S) 6.99ドル -0.11ドル(-1.55%)
《SF》
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