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2019年6月10日 19時30分
特集

“働き方改革時代”の新潮流、「テレワーク関連株」が動き出す日 <株探トップ特集>

―ICTを利用した柔軟な働き方が時流に乗る、東京五輪でも注目の銘柄群にスポットライト―

本格的な夏到来を控えて、 テレワークへの関心が高まっている。テレワークとは、従業員が職場に出勤せず、自宅や外出先で仕事を行うこと。日本政府は、 働き方改革の一環として企業がテレワークを導入することを促しており、補助金制度などを設けている。

自民党は6月7日、夏の参院選公約を発表したが、 働き方改革の実現のため、テレワークの普及などを掲げている。現在、わが国におけるテレワークの導入率は大企業を中心に13.9%(総務省「平成29年通信利用動向調査」)に過ぎないが、今後更なる普及が期待されている。これによりメリットを受ける企業などに注目したい。

●テレワークは一種の国策

総務省によると、テレワークとは「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のこと」とある。ICTの発達により、現代はパソコンとインターネット環境さえあれば、オフィスに出向かなくとも自宅や外出先のカフェやファミリーレストランなどでオフィス同様に働くことができる。オフィスに出向かないため、通勤時間の削減につながるほか、家族と過ごす時間が増える、子育てや介護にあてる時間が増えるなどのメリットがある。

厚生労働省では、テレワークに取り組む中小企業を対象に、導入費用の一部を最大150万円助成する時間外労働等改善助成金(テレワークコース)を実施しており、テレワークは一種の国策といえる。また、東京都なども補助制度を設けて普及を促進するなど、自治体もテレワークの普及に努めている。

●東京五輪でも注目

テレワークはまた、 東京五輪に関連しても注目されている。東京都は総務省や厚労省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府及び関係団体と連携し、東京五輪の開会式である7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけて、2017年から働き方改革の国民運動「テレワーク・デイズ」を展開している。初回の17年(7月24日のみ実施)には約950団体、6万3000人が参加。昨年18年(7月23~27日に実施)には1682団体、約30万人以上が参加した。

19年は、20年東京五輪の1年前に当たることから、本番テストとして7月22日~9月6日の約1ヵ月間を「テレワーク・デイズ2019」実施期間に設定し展開する。6月7日現在では632団体の参加が予定されている。

「テレワーク・デイズ」の狙いはいくつかあるが、その大きなものの一つが交通混雑の緩和だ。東京五輪開催時には、五輪観戦や訪日客の増加により、都内の電車・道路ともに混雑が予想され、都心の高速道路で最大3倍以上通常より時間がかかるとの予想もある。また、競技会場が集中している有明などの臨海部や新宿区、渋谷区周辺では、物流や通勤などに大きな影響が出ると予想されている。

実際、「テレワーク・デイズ2018」では、東京23区への通勤者を約40万人削減したという。「テレワーク・デイズ」の開催が接近するとともに、社会的ニーズの側面も含めてテレワークへの関心が高まりそうだ。

●テレワーク導入企業向けサービスを提供する企業に注目

テレワーク関連銘柄は、「テレワークを導入し生産性向上などの効果をあげている企業」と「テレワークを導入する企業向けにサービスを提供している企業」の二つに大きく分けることができるが、ここで注目したいのは後者の「テレワークを導入する企業向けにサービスを提供している企業」だ。

サイボウズ <4776> は、中小企業向け「サイボウズ Office」や、大企業・中堅企業向け「Garoon(ガルーン)」などのグループウェアを手掛け、テレワークに不可欠な企業の一つ。特に、自社クラウド基盤「cybozu.com」上で提供するクラウドサービスが順調に売り上げを伸ばし業績を牽引しており、18年12月期は営業利益が11億300万円(前の期比37.5%増)と大幅増益を達成。19年12月期第1四半期は営業利益7億9200万円(前年同期比31.1%増)と好調を維持している。

●業績への貢献高まるソリトン

ソリトンシステムズ <3040> は、テレワーク導入を検討している企業向けにセキュリティーソリューションを提供している。既に大分県庁や三井E&Sホールディングス <7003> などへ導入実績があるが、「官民問わず需要は拡大しており、業績にも徐々に貢献度が上がってくると考えている」(IR担当)としている。同社の19年12月期連結業績は、営業利益15億円(前期比9.7%増)を予想。06年3月期につけた営業最高益15億5000万円更新も視野に入っている。

NECネッツエスアイ <1973> は、15年から育児中の女性を対象にテレワーク勤務の実証実験を行い、17年からは、全社員を対象にテレワーク勤務を導入するなど、自社でのテレワーク導入に積極的だが、近年、テレワークを含めた働き方改革関連事業も成長。19年3月期は営業利益127億7400万円(前の期比15.5%増)となったが、「働き方改革関連事業については、前期の業績を牽引した分野の一つであり、今期以降も、テレワークも含めた働き方改革関連事業の拡大を図る」(経理部)としている。

●電話ボックス型ワークスペースのブイキューブ

また、自社でのテレワーク導入のほかにテレワークを支援するリモートアクセス製品を手掛けるジャパンシステム <9758> [JQ]や、総務省が地方創生の一貫として実施する「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」に採択されたSAMURAI&J PARTNERS <4764> [JQG]、テレワーク時のコミュニケーションプラットフォーム「mitoco(ミトコ)」を手掛けるテラスカイ <3915> も関連銘柄として注目度は高い。更に、ビジュアルコミュニケーションサービス「V-CUBE」でリモートオフィスを実現しているほか、電話ボックス型ワークスペースを提供するブイキューブ <3681> も代表的銘柄といえる。

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